大阪市「欠員」補充で新制度 教員の産休・育休を取りやすく

小学校の教室の様子
小学校の教室の様子

 教員が産休や育休を取りやすい環境を整備しよう─と大阪市は2024年度から、市立の小・中学校で教員の欠員を補充する新制度を導入する。全国の政令指定都市では初めての取り組み。同年度は約4億円、25年度は約8億円の人件費を見込んでいる。

欠員なら「特別専科教諭」がフォロー
来年度は小学校で50人、中学校で15人を採用

 全国的にも公立小学校の20・5%、同中学校の25・4%で教員不足が起き、社会問題にもなっている。このため、大阪市教育委員会は深刻な教員不足解消のためにこれまで10月下旬だった教員採用試験の合格発表を3週間程度繰り上げ、民間企業が内定式を行う前に人材を確保する狙いを打ち出していた。

 今回、大阪市が全国の政令指定都市で初めて導入する「特別専科教諭」は新卒者が中心で、1年目の来年度は小学校で50人、中学校で15人を採用。再来年度以降は小学校で100人、中学校で30人ほどを採用する計画という。

 市では産休や育休で毎年度70人から80人ほど教員の欠員が生じているが、全国的な教員不足の影響のため、「年度途中から代わりの教員の確保に難航している状況」(市内の小学校教員)。

 こうした背景から、「特別専科教諭」は年度当初は学級担任を持たずに専科指導や副担任、授業補助などを行い、別の学校で欠員が生じた際には勤務先を変更して代替教員として学級担任などを受け持つ。