
「街の役に立ちたい」大阪市に喫煙所を寄贈
総合格闘家で実業家の朝倉未来氏が24日、自身のYouTubeチャンネルで、横山英幸・大阪市長との対談動画を公開した。4月に私財を投じて新コンセプトの喫煙所「SMOKING DOWN」を大阪市内に開設したことで、市から感謝状が贈られるなど、その取り組みが注目されている。
朝倉氏は、7月13日に予定されている「ブレイキングダウン大阪大会」に先立ち、「大阪の街に何か貢献できないか」との思いから、私財を投じて喫煙所の設置に踏み切ったという。背景には、報道などでたびたび取り上げられる「喫煙所不足」の課題がある。
市長との対談前日には、朝倉氏自ら喫煙所を訪れ、喫煙マナーの啓発活動にも参加。周辺の路上喫煙者に声をかけて喫煙所へ誘導するなど、現場での課題と向き合う姿勢を見せた。
対談では、朝倉氏が「喫煙所が少ない」「飲食店では吸えない」といった利用者の声を市長に届けたほか、喫煙所の維持管理には毎月約50万円の費用がかかることを明かし、「一般の人には設置のハードルが高い。大阪市が賃料を補助してくれれば助かる」と支援を直訴。これに対し横山市長も「予算を見ながら、賃料補助は大きな選択肢の一つ」と前向きな姿勢を示した。
さらに朝倉氏は、今後も市内に3カ所ほど喫煙所を寄贈する意向を明言。市側もこれを歓迎し、横山市長は「ありがたい申し出。ぜひ受け入れたい」として、既に関係部局への対応指示も行っているという。
朝倉氏の寄贈意向は、自身のSNSやマネージャーを通じても発信されており、「大阪市と今後も協力していきたい」と継続的な支援の意思も明らかにされている。
喫煙所不足が社会課題となる中、有名人による寄贈はインフラ整備のみならず、マナー啓発や意識改革にもつながる可能性を秘めている。動画公開後には、市長自らのXでも「喫煙所設置に尽力します」とポストされており、昨年対談した吉村府知事も自身のXで感謝の意を述べた。大阪市が掲げる「喫煙者も非喫煙者も共存できる街づくり」の実現には、民間と行政が連携した柔軟な対応が求められており、今回の取り組みはその好例となりそうだ。