4月の統一地方選で躍進した日本維新の会の議員の不祥事が続いている。大阪維新の会の大阪府議団代表を務めた笹川理(おさむ)氏(41)が5月、同じ維新の宮脇希大阪市議(36)へのセクハラ、パワハラ行為を認定し除名処分にした。大阪維新の会代表を務める吉村洋文大阪府知事は「政治家のけじめとして議員辞職」を求めているが、(6月6日現在)応じ除名処分に応じていないため、府議として夏のボーナス206万4600円を満額支給されるという。また、国会でも維新の代表選にも出た梅村みずほ参院議員(当選1回)が、参院本会議などで名古屋出入国在留管理局の施設で2021年に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんを巡って、党の指示に従わずに不適切発言を繰り返し、党員資格停止6カ月の処分がくだされた。
笹川府議のセクハラ、パワハラをめぐり、大阪維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は5月24日の記者会見で、維新所属の全議員を対象に同僚らからハラスメントを受けたことがあるか調査を行い、問題が明らかになれば公表し、処分すると発表している。また、問題が起きた15年当時、維新幹事長だった松井一郎前大阪市長も同月25日、府庁で記者会見し、「対応に甘い部分があった」と陳謝し、性的関係を迫っていたことを把握していれば「 除名」が妥当だったとの考えを示した。
一方、梅村参院議員の国会での発言で批判を受けていた問題で、馬場伸幸代表は「政治家としてまだまだ未熟。居酒屋で仲間同士で話しているのとは違う」と問題視し、党紀委員会に諮り、「党の指示に反する質問をしてガバナンスを逸脱した」として同党では3番目に重い処分となる党員資格停止6カ月の処分にした。
維新は21年衆院選、19年、22年の両参院選で新人議員が多く誕生した。政党支持率では昨年の参院選や先の統一地方選で議席を大幅に増やした維新が勢いを維持し、世論調査では野党第一党の立民を上回る「政権批判の受け皿」とみなされている。有権者の期待に応えるためにも、〝体質の改善〟が急がれる。