「心の病」による休職、過去最多 大阪府・市ともに過去5年間

「心の病」による休職、過去最多

 「心の病」で休職する教職員が増えている。文部科学省は2021年度公立学校教職員の人事行政状況調査の結果を公表したが、精神疾患による病気休職者は、前年度比694人増の5897人で過去最多となった。大阪府でも397人、大阪市でも143人と過去5年間で最多だった。教員の復職支援を担当した臨床心理士は「メンタルケアの前提として、人手不足と経験もな い中で責任ある仕事を任される若手教員の存在がある」と警鐘を鳴らしている。

 精神疾患による病気休職者は、全教育職員数の0.64%にあたる5897人。前年度より694人増え、過去最多。男女別では、男性2406人、女性3491人。年代別では、20代1164人、30代1617人、40代1478人、50代以上1638人。

 学校種別にみると、小学校2937 人(在職者に占める割合0.71%)、中学校1415人(同0・61%)、義務教育学校21人(0.41%)、高等学校742人(0.42%)など。職種別では、校長2人(0.7%)、副校長等9人(0・27%)、主幹教諭等9人(0.38%)、教員など5392人(0.70%)だった。

先生の誠意に〝おんぶに抱っこ〟

 一方、大阪府の病気休職者は、17年度(307人)▽18年度(328人)▽91年度(336人)▽20年度(336人) ▽21年度(397人)─と増加の一途だ。21年度の対教育職員数割合は0・97%で都道府県別ではワースト1の沖縄 (1・29%)、同2の東京(同1・05%)に続いてワースト3。大阪市は17年度(123人)▽18年度(127人)▽19年度(133人)。20年度(107人)はいったん減少したが、24年度(143人)は対教育職員数割合は1.05%で過去5年で最多となった。

 臨床心理士は「心身の健康のためには質のよい睡眠時間が必要だが、教育現場は人手不足。コロナ禍も原因だが、適正な人的配置ができていない。現状は先生の誠意、がんばりで学校が運営されているが、24時間教師をやめてただの人に戻る時間が必要」と話している。