考える力を育む保育園 西区北堀江にオープン

子どもたちの15年後、20年後の姿を思い浮かべた教育を

 大阪・西区は、交通のアクセスが良く、飲食店も充実、都会でありながら公園(自然)も多い。最近では教育機関の充実、子育て支援も手厚いとあって、若いファミリー層の人口が増え、これに伴い保育園や子ども園、小規模園の数が急増している

 親として園選びは頭を悩ますところ。そんな中、ことし6月に大阪メトロ「西長堀」駅から徒歩3分に「北堀江せせらぎ保育園」が新設された。一見するとお洒落なレストランにも見える外観からはわからない、同園の雰囲気や保育方針を取材した。

 取材は3歳児クラスにお邪魔した。朝7時半から登園が始まり、園内いっぱいに元気なあいさつの声が飛び交う。落ち着いた深緑色の外観とは違い、エントランスをくぐると柔らかいオレンジ色の壁で明るく陽気なイメージへと一変する。

 この日は敬老の日に渡すはがき作りで、はさみを使った細かな作業に取り組んでいた。小さなカーブなど難しいところは先生の補助を受けながら、みんな真剣な表情だ。次は音に合わせて歌いながら体を動かすリトミックの時間。曲の速度や高い音程など難しいことにも挑戦。上手くできなくても、先生は答えをすぐに言わない。立ち止まって「どうやったら上手くできるかな?」と考えさせるのが印象的だった。体操の時間ではマットの上をコロコロと横転する。ぶつからないように子どもたちが自ら工夫をし、自然と順番を守ることを学んでいた。

敬老の日へ向けてはがきづくり
体操の授業

失敗体験も大切

 同園では学ぶ力を育むために、まず自分で考えてみることを大切にしているという。例えばコップが机の端っこにあっても「こぼすぞ!こぼすぞ!」と心の中で思いながら見守って、こぼしたら「やっぱりこぼした(笑)」ってなるまで見守る。先に声をかけて未然に防ぐことは簡単だけが、失敗しないように導く、成功するように導くことにどれだけの学びがあるのだろうと考えると、失敗体験から学ぶことは多い。

 大西沙規主任は「せせらぎから始まり、いずれ大河に合流する子どもたち。周りに流されるのではなく、自分で何が正しいのかを考え行動できる人になってほしい。子どもたちの15年後、20年後の姿を思い浮かべながら、今後はどのように伝えるのが大切なのかを思って接しています」とは教えてくれた。

■学校法人 小川学園 せせらぎ保育園/大阪市西区北堀江3-11-29/電話06(6760)4661