大阪府は8月28日、西野田工科（福島区）と城東工科（東大阪市）と布施工科（同）の府立工業高3校で2025年度以降の入学者募集を停止する方針を決めた。いずれも定員割れが3年以上続いていた。
大阪府では少子化による生徒数減に伴い、14年から府立高の再編を進めている。今回の3校を含め、現在までに16校を閉鎖。計画では、27年までにあと6校が姿を消すことになる。
府立工業高3校が統廃合 再来年度から募集停止へ
新たに募集停止となる大阪府立の3工業高。西野田工科は今宮工科に吸収し、布施工科と城東工科は統合して新たに工業系高校を新設。実質的には府立高2校が減ることになる。3校は再来年度にも募集停止する方針。
府は、府議会の意見なども踏まえて今年11月に最終決定する。
府では、地域特性や志願者数の動向なども踏まえながら、「3年連続で定員割れした公立高校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは再編整備の検討対象」にしている。最初に募集停止になったのは2014年の池田北、咲洲。今回の3校を含め、これまで16校が再編対象になっている。
府教委は「学校ごとの特色ある活動を継承したり、新たな高校に再編したりすることで、工業系の高校の充実をめざす」としている。
府は公立高を再編する一方、来年度から私立高を含め、親の所得に関わらず、全生徒の授業料無償化を段階的に始める。府立高の関係者は「私立が無料になれば今後、府立の定員割れが加速する可能性もある」と不安の声を漏らすが、吉村知事は「親の所得に関係なく自由に子どもたちが未来を選択できる社会」を目指すとしている。
所得制限なしで私立授業料が無償になるという全国初の制度。ただ、在学生の保護者は「授業料とは別に、入学金などの費用は3年間で100万から150万円程かかる」と話し、「公立（30万～40万円）に比べ、負担が大きい」という声もある。