塩野義製薬(大阪市北区)は5日、米国のバイオ医薬品企業IntraBio(イントラバイオ)を買収し、完全子会社化すると発表した。買収額は20億ドル(約3156億円)。11~12月の取引完了を予定している。
買収により、希少な神経疾患の治療薬「AQNEURSA」の世界での販売権などを取得する。同薬は、遺伝性の希少疾患「ニーマン・ピック病C型」に伴う神経症状の治療薬として米国と欧州で承認されている。
さらに9月、米食品医薬品局(FDA)から、幼児期に発症することが多い希少な神経疾患「毛細血管拡張性運動失調症(A-T)」の治療薬として、世界で初めて承認された。現在、A-Tに対して承認された治療薬は同薬のみという。
塩野義製薬は2026年4月から、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬エダラボン(米国製品名・RADICAVA)を米国で展開している。今回の買収で、米国で築いた希少神経疾患の事業基盤を生かし、治療薬の提供を拡大する。
また、IntraBioが持つ希少疾患の研究開発に関する人材やノウハウも取り込み、今後の新薬開発を加速させる考えだ。
塩野義製薬は2025年以降、外部企業との連携を通じて事業基盤を広げている。2025年9月には鳥居薬品を完全子会社化し、同年12月には田辺ファーマからエダラボン事業を買収する契約を締結した。2026年3月には、英国のHIV専門会社ViiV Healthcareへの追加出資を実施。今回のIntraBio買収は、こうした取り組みをさらに希少疾患、とりわけ神経疾患分野へ広げるものとなる。
