高齢者が介護を必要とする状態になる前から、できるだけ長く元気に暮らしてもらいたい。介護福祉士やケアマネジャーの資格を持ち、「インディバ サロン ド ホリ 大阪 リボン」(大阪市住吉区)を運営する才津由佳代表は、介護施設に美容やエステの発想を取り入れ、体と心の両面から高齢者の自立を支える取り組みを続けている。 (竹居真樹)

中心となるのは、高周波を用いて体を温める機器「インディバ」。約6年前から介護施設で導入し、現在は2施設で活用する。才津さん自身も週2回ほど施設を訪れ、運動指導を実施。インディバは看護師にも使い方を伝え、施設内で継続して施術できる体制を整えている。
利用者からは「体が温かい」といった声があり、才津さんによると、施術後に足の運びが良くなったように感じられるケースもあるという。
「できる」を増やし生きがいに
中でも才津さんが印象に残っているのが、長く施設で過ごしていた97歳の女性から「スタバに連れて行って」と言われたこと。それまで外出したいと言うことがほとんどなかっただけに、「体が少し動くことで気持ちも前向きになる。体だけでなく、生きる意欲にもつながるのでは」と振り返る。
介護の道に進むきっかけは、才津さんが20歳の時、19歳だった弟がくも膜下出血を発症したことだった。家族で支えようと母親とヘルパーの学校に通い、自身は福祉用具の仕事へ。その後、介護予防の運動指導員となり、約20年にわたり高齢者の健康づくりに携わってきた。
美容はぜいたくじゃない
大切にするのは「できることを一つでも増やす」こと。施設では掃除なども利用者に頼み、「ありがとう」と伝える。「人から頼られ、感謝されることが生きがいにつながる」と話す。
一方、介護美容は原則自費となるため、費用面が普及の壁だ。才津さんは「美容はぜいたくではなく、元気に暮らすための選択肢。介護の現場にもっと広げたい」と力を込める。

