【大手前高校】数学の国際大会を主催 「理数教育の中心を大阪に」<大阪府立高校長インタビュー vol.1>

 2026年春の公立高校入試では、少子化や私立高校授業料完全無償化による「私立校人気」の影響もあり、140校のうち67校が定員割れとなった。一方、2028年度入試からの「公立高校入試改革」が後押しする形で、各校では独自の取り組みや学科・コース等の特色化による「魅力アップ」が推進されている。本企画では、大阪府立高校の校長先生にインタビューし、改めて各校の個性・魅力や現状を伝えていく。
 今回は、大阪城が見える大手前地区にあり、「トップ10校」と呼ばれるうちの一つでもある大手前高等学校の宮城憲博校長に話を聞いた。

宮城憲博校長。正門横に飾られている、校是「英姿颯爽」の額の前で

どんな学校ですか?

 大手前高校は大阪府女学校として開校し、今年で創立140年を迎える歴史ある学校です。平成20年度にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、平成23年度にグローバルリーダーズハイスクールの指定を受けています。
 本校ならではの魅力をまず最初に挙げるとすれば、官公庁や大阪城のそばにあり、教室からも大阪城が見えるロケーションですかね。

※スーパーサイエンスハイスクール…文部科学省が指定する理数教育に特化した学校
※グローバルリーダーズハイスクール…「豊かな感性と幅広い教養を身に付けた、社会に貢献する志を持つ、知識基盤社会をリードする人材を育成する。」ことを目的に指定された府内の公立高校10校

SSHの取り組みでは、特に「数学」に力を入れられているそうですね。

 はい。大きな取り組みとしては「マスフェスタ」があります。今年で18回目の開催になり、全国の学校・クラブが本校に集い、数学に関する研究成果を発表し合います。多くの大学関係者や企業の方にも見ていただいており、中には大学の研究レベルに匹敵すると評価をもらうレベルの発表も出てきます。

 そしてこの大会を、来年は「アジア大会」、再来年は「世界大会」と広げていき、国際大会にしていく予定です。すでに今年度開催から、韓国やインド、オーストラリアの学生にが参加案内し、いくつかの学校からは参加の旨を聞いています。

 日本は高等教育のレベルが高いのですが、それがなかなか世界にアピールしきれていない部分も多いと感じます。「マスフェスタ」を通じてさらに大阪を世界に発信し、ここ大手前を〝数学のメッカ〟にしていきたいですね。

「国際教育」の取り組みについても教えてください。

 先述の通り、本校主催で国際大会を開催するほか、来年度から留学生の受け入れも強化する予定です。また、「国際経済フォーラム」というイベントも開催していきたいと思っています。これは生徒が社会課題を理解して、国際コミュニケーションを高めることを目的としたイベントです。

 国際教育において目標としているのは、世界で活躍するリーダーの育成です。語学力の向上や異文化交流にとどまらず、さらにあらゆる関係者とコミュニケーションを取りながら、どうやって周囲を引っ張ってみんなにとっての幸せを追求していくか、それを実行できる人材を育てていきたい。日本人の気質である「思いやり」を生かしつつ、世界のリーダーとして必要とされる力を養う機会を、学校から提供できたらと思っています。

外部団体と連携した取り組みが多い理由は?

 本校は定時制課程や通級指導を設置しているなど、校内でもさまざまな背景の生徒が在籍していて多様性が高いです。
 あらゆる異なる人と出会う機会がないと新しいアイデアは生まれません。その意味でも、学校が殻を破ってどんどん外とつながって開けていくことが今の時代の学校には必要だと考えています。研究機関や企業、他校、地域との取り組みを続けることを引き続き大切にしていきたいですね。

■大阪府立大手前高等学校/06(6941)0051/大阪市中央区大手前2-1-11

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