4月に新曲「Nina(ニーナ)」がヒット中の歌手・真田ナオキが、ロックバンド「怒髪天」が作詞作曲したカップリング曲「一匹狼のブルーズ」をA面にした新作CDを今秋発売、いきなりオリコン演歌・歌謡曲ランキング1位に就いた。息長いヒット曲「Nina(ニーナ)」もまだ10位にとどまり2曲同時にランク入りの快挙。真田のやんちゃな持ち味をフルに生かしたリズム演歌だけに「春に出して少しずつ手応えが出てきた。僕は優等生ではなく麻雀などギャンブルも好き。格好付けてよい子ぶってもしょうがない」との生き方が歌詞にも反映している。

半年でA面に昇格した「一匹狼~」に代わって、新たなカップリングはキングオブコント2019王者で歌ネタ王「どぶろっく」の2人が手分け。KYO TAN SAN盤は森新太郎が作詞・作曲、あれれ盤は同じく江口直人が手掛けた。好きな女性をブームの甘味抜き強炭酸飲料に見立てた恋愛ソング。一方は友達だった女性を「あれれ?」と気付いたら好きになっていたという戸惑い曲。普段の真田はしゃがれ声を生かした高音部が持ち味だが「あれれ」はめったに聞けない低音部の地声で歌っていて、彼の新たな魅力が伝わる。

来年4月には新歌舞伎座で初のバンドコンサート開催が決定。その準備もあって久しぶりに大阪で3日間を過ごし、精力的に地元のテレビラジオに出演。「いつもはトンボ返りが多いのですが、大阪でおいしい焼き肉に連れて行って頂いたりして楽しめました。バンドですか? 元々ギターは弾き語りは時々しているんですが、先日東京・浅草でピアノ弾き語りを練習し披露しました。新歌舞伎座公演はまだ半年あるのでゆっくり考えます」といたずらっぽく。

真田といえば未だ出場できていないNHK紅白歌合戦への願望が強いイメージがあるが、歳男の今年は年末で36歳、メジャーデビュー7年目となり心境も微妙に変化。「ずっと(吉幾三)師匠に曲を書いて頂いて歌ってきて、今回初めて両面とも外部の方。まだまだですけど師匠からは〝次は自分で曲を書いてみろよ〟とおっしゃって頂いている。自分らしく歌って表現していれば、結果はおのずと付いてきます。自分で決められない事で一喜一憂するのは止めました」と一回り大きく成長した姿を感じさせた。
(畑山 博史)

