〝ヒューマンボイス〟を持つ歌手・松原健之が新曲を披露

 男性歌手には珍しい優しい高音の声を指す〝ヒューマンボイス〟を持つ歌手・松原健之が、自身が歌唱する事を前提に詞と職が公募された「第39回藤田まさと記念・新作歌謡作品コンクール」(日本音楽著作家連合主催)で最優秀作に選出された「愛になるふたり」を新曲として発売。

「秋は関西でコンサートや舞台」と話す松原

 今年は2005年のヒット曲「金沢望郷歌」でデビューして20周年。昨年このデビュー曲を「金沢望郷歌2024」として吹き込み直しリニューアル発売。「聞き比べてみますとね、キンキンしていた高音部はまろやかになり、デビュー当時は苦手だった低音部がかなり響くようになった。デビュー当時お世話になった作家の五木寛之先生が最初〝奇跡のクリスタルボイス〟と名付けて頂きましたが、年を重ねて改めて〝ヒューマンボイスになってきたね〟と言って頂けるようになれました」とシミジミ。

「五木寛之先生に見いだして頂いて」と話す松原

 「愛になるふたり」は約600の応募からまず出版系の仕事を続ける傍ら辰巳ゆうとらの曲を手掛けるいのうえ佳世の詞が採用され、続いて曲は在阪作家・江口隆法のバラードが選ばれた。カップリングにはシティーポップに編曲された「時にはあなたの…」が選ばれた。

「新曲は得意のバラードで」と説明する松原

 松原は「20周年の僕らしいバラード。デビュー当時〝プロ歌手としては声がきれいすぎる。個性が足りない〟と周囲から言われたが、五木先生が〝他にないきれいな声は大いに誇ったらいい。親からもらった唯一無二の声を大切に〟と激励して頂き20年間走って来られた。芸名の『之』」も五木先生のお名前から頂いた」と全幅の信頼を寄せる。

松原健之の新曲「愛になるふたり」CDジャケット

 9月からは20周年コンサートを各地で行うが、大トリはラジオ関西でレギュラーを持つ神戸で10月12日に打ち上げ。11月には大阪・国立便楽劇場での前進座特別公演「雨あがる」(山本周五郎原作)にも旅芸人役で客演、一節歌う予定。「元々歌うのは大好きなんですが性格が地味なもので自分から目立つのはどうも苦手。お陰様で色々声を掛けて下さり、呼ばれればギター1つ持って弾き語りを聴いて頂くのが楽しい」と充実した日々を過ごしている。

(畑山 博史)