【万博】新ビジネス生む〝秘密基地〟 未来志向のイタリアコンピテンスセンター

 イタリアパビリオンで10月8日に開催された「世界のためのイタリアのイノベーション 外国投資と協業のゲートウェイとしてのコンピテンスセンター」という投資セミナーに参加してきた。

 投資セミナーといっても個人が投資する株式や不動産ではなく、日本企業がイタリアのイノベーションやコンピテンスセンターを活用した研究開発などへ投資し、両国間のビジネスをより発展させて行こうという趣旨のものだ。

 コンピテンスセンターとは、特定の専門分野に関する知識、ノウハウ、技術を蓄積・共有し、その活用を促進する組織や拠点のこと。企業が最新のデジタル技術を導入するのを支援したり、ある特定の技術開発のイノベーションを加速させたり、自然エネルギーと地域社会の調和を図るための専門知識を提供するなど、様々な文脈で活用されている。
 このように、コンピテンスセンターは、専門性の高い分野において、知識の集約と普及、そして具体的な課題解決を促進する機能を持つ組織や施設を指す。

 イタリアはこのようなコンピテンスセンターを全国で8か所に建設し、戦略的に配置している。その8か所のコンピテンスセンターからそれぞれに代表する企業が来日し、各社の強みや属するコンピテンスセンターの強みなどを紹介していった。

 参加した8つのコンピテンスセンターから参加したのは以下の8社で、それぞれにフォーカスしたテーマがあった。
 BI-REX – ビッグデータ&AI、CIM 4.0 – アディティブ・マニュファクチャリングとAI、Cyber 4.0 – サイバーセキュリティと非EU市場、SMACT – 産業用IoTとスマート製造、START 4.0 – 戦略的インフラの最適化とセキュリティ、ARTES 4.0 –ロボティクスとインテリジェントオートメーション、MedITech – 量子技術と文化産業、MADE – I4.0。

 インダストリー4.0の時代が終わり、5.0の時代が到来することを各社が強調し、ビッグデータやAI、サイバーセキュリティー、ロボティクス、量子技術など、確実にこれからの世界経済の中心になっていく分野が並び、イタリアがいかに戦略的にこれらの分野の研究開発から、スタートアップの支援、グローバル展開の後押しなどを行っているかがヒシヒシと伝わってきた。

 これこそ、まさに20年、30年先の未来を見越した話で、万博にこそ相応しい内容だった。
 これらのコンピテンスセンターに投資する日本企業が現れ、イタリアと共同して将来の産業構築に関わっていって貰いたいものだ。

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