上方落語協会の定席寄席「天満天神繁昌亭」開場19周年セレモニーが行われ、協会を代表して笑福亭仁智会長と桂米團治副会長、土地所有者であるお隣「大阪天満宮」から寺井種治宮司、支援する天神橋筋商店街などで作るNPO法人「上方落語支援の会」盛岡淑郎理事長らが参加して鏡開き。この日の特別興行に詰めかけた観客らに振る舞い酒を直接手渡しして共に祝った。

2006年9月の開場以来の総入場者は226万3368人で、月平均にならすと1万人近い数字に。1、2階で計216席なので毎日300人を集客している計算になる。

それでも近年はコロナ禍による長期休館や猛暑日の連続、さらに大阪北部地震や台風20号大阪直撃と大規模自然災害も数多く、寄席維持に苦しんだ。

笑福亭仁智協会会長は「来年は開場20周年、できたら記念興行だけやなくパーティーもお世話になった方々を呼んで、にぎやかに華やかにやりたい。再来年は協会設立70周年になります。来年から再来年は1年通じてイベントを繰り広げる用意も着々としてます」と意欲。

一昨年昨年の2年間で、協会への新規入門者が計1人しか残らず将来への危惧の声もあったが今年は既に6人が入門。「これまで弟子がいなかった噺家で師匠と呼ばれるようになったケースも多い。やはり若い世代を育てて次に送って行かないと未来はない。繁昌亭と神戸喜楽館の定席2館でしっかり研さんを積んでほしい」と期待を込めた。
(畑山 博史)