映画を“食べる”!? 天空ビュッフェ
ナイフが刺さったショートケーキ、墓場(!?)に埋まるドクロ型のチョコレート、時限爆弾型のロールケーキ……。およそホテルのスイーツとは思えないようなサスペンス感溢れるビジュアル。これらは、アートホテル大阪ベイタワーで開催中のフェア「Cut in!」に並ぶメニューの数々だ。

開催場所は、地上200mから大阪の絶景を臨むレストラン「スカイビュッフェ51」。西側には梅田やスカイビルといったシティビュー、東側にはUSJから夢洲の万博会場までのベイビューが見渡せる。
景色だけではなく、レストランの特色は「2カ月ごとにビュッフェのテーマが変わる」ということ。しかもその度に内装もガラッとチェンジし、「フェアごとに全く違うレストランに来ている気分になります」とホテル広報担当は話す。
9月1日(月)から10月31日(金)まで開催されているのが、映画に登場しそうなシーンの一コマや道具をモチーフにしたメニューが並ぶフェア「Cut in!」。万博終盤とあって、国内外の駆け込み需要も予想され、ホテルとしても特に幅広い国籍や年齢層をターゲットとした肝入りの企画という。
早速、その世界観を体験しに(というか単に食べたくて)足を運んでみた。

大阪市内で屈指の高さを誇るレストランだけあり、天空にいるかのような絶景に息を呑む。万博会場も遥か遠くに望める。


映画のフィルム風に壁面をあしらったアプローチを進むと、正面には大きなカチンコが。「クランクインじゃ〜」と鼻息荒くビュッフェフロアに踏み込むと、焼きたてのピザ、グラタン、ローストポーク、マッシュルームのアランチーニ……などなど、どれも出来立て焼きたてアツアツの品々が。映画というテーマにちなんだアメリカンテイストのメニューが中心で、サツマイモやキノコ、栗など秋の食材をふんだんに取り入れられている。


必食なのは目の前で料理人が仕上げるライブキッチンメニューで、「アトランティックサーモンのソテー マルテーズソース」「出来立てパスタ 秋刀魚とバター醤油のスパゲッティ」「アンガス牛ステーキ ジャポネソース」(ディナー限定)など昼夜合わせて6品も!これが何回でもお替わりできるとは、まさに夢。※しかし品数が多すぎてお替わりなんて無謀ということを後で知る。


はっ。違う違―う!今回のテーマは「映画をイメージしたスイーツ」なので、メインディッシュや冷温菜にこんなに尺を取っている場合ではないのだ。

スイーツコーナーに並ぶのは、真っ黒や真っ赤や真っ青のビジュアルが印象的なデコレーションケーキやムース、カップケーキ、マカロンなど。ベリーソースとチョコのナイフが突き刺さったケーキは「犯人はまだ近くにいる」、ドクロのチョコレートが顔を覗かせる墓場モチーフのティラミスは「絶対に振り向くな」など、映画にありそうなキャッチフレーズがそれぞれに付けられているのも面白い。

実際に味わってみると、どれも感動するほど美味。そもそもこのレストランはスイーツのクオリティが高いことでも有名なので、まず基本となるショートケーキ(ここでは派手なピンク色のリボンをまとったウェディングケーキ)が絶品なのだ。


カチンコ型のチョコレートケーキ・オペラも、「アクション!ハクション!」などふざけた(すみません!)名前が付けられているが、口溶けの良いチョコレートとビターなチョコレートのバランスが絶妙。

「隕石衝突まで72時間」は、ピッカピカに輝くアクアブルーの地球のようなビジュアル。本当に食べられるの!?と何度も確認しながらグラサージュにフォークを入れると、中はクリーミーなムースケーキ。ふわっと軽くて丸ごと1個いけそうだ(駄目です)。

他にも、スタッフが売り子のように席を巡回するカップ入りポップコーン、ディスプレイにしか見えない黄色い車の形をしたケーキなど、見応え食べ応えのあるスイーツがあれこれ。映画好きはもちろん、単なる美味しいもの好き、スイーツ好きなど、オールマイティな客層にマッチしたフェアである。

「Cut in!」は10月31日(金)まで。ただし、1回ではとても制覇しきれないほどのメニュー数ということにご留意を。ここまで趣向を凝らしたスイーツが並ぶフェアはなかなかないので、ランチとディナーどちらも訪れないともったいないかも。

今回紹介の「Cut in!」は9月1日~10月31日(ランチは午前11時半~午後3時、最終入店同1時半、ディナーは午後5時~10時、最終入店同8時)の間で開催中。料金は、ランチビュッフェ大人4500円〜、ディナービュッフェ同5800円〜。時間制限90分。完全予約制。
■アートホテル大阪ベイタワー「スカイビュッフェ51」/大阪市港区弁天1-2-1/電話06(6577)1101