俳優のん×こけしが生む〝可愛い群れ〟 みんぱくで幻想的な夏の展示

 俳優・アーティストとして多彩な活動を展開する「のん」による展覧会「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。−群れる−」が7月31日から10月13日まで、大阪・吹田市の国立民族学博物館(みんぱく)で開催されている。

「こけし灯籠」と のん
作品「ちょうちょを纏った、赤べこ」

 同展覧会は、24の国と地域・93組のアーティストが参加している「Study:大阪関西国際芸術祭2025」の公式プログラムの一環として実施されている。 

 会場には、のん が長年取り組んできた「リボンアート」と、こけしや赤べこ、七夕飾りなど日本の伝統的な民具が融合した作品が並ぶ。
 目玉の展示「こけし灯篭街道」は、津軽伝統工芸「こけし灯篭」の表面デザインを のん が行い、職人が絵付けを行った。新作10体を含む15体を黒い空間に一斉に配置し、表から見れば愛らしいこけしの背面に赤いリボンが群れのように貼り付く〝可愛くて、不気味〟な世界観を展開する。また、「こけし灯籠」のデザイン画も展示されており、制作過程にも触れることができる。

「夏の展覧会なので、夏の花をモチーフにした灯篭もあります」と語る のん

 今回の展示は、国立民族学博物館そのものからインスパイアされて準備された。のん は「この展示とあわせて博物館にも足を運び、その展示を見ることで味わいを深めてほしいです。また、夏も暑いので、作品の不気味さを通じて、少し涼んでもらえたら」と語った。文化人類学の拠点であるみんぱくで、現代アートと民俗資料が交差する意欲的な試みとして、芸術祭後半を盛り上げる展覧会となるだろう。

■「のん Ribbon展 怪しくて、可愛いもの。−群れる−」/会期:7月31日から10月13日まで/場所:国立民族学博物館(みんぱく)大阪府吹田市千里万博公園10-1/料金:有料 「Study:大阪関西国際芸術祭 2025」チケット、もしくは国立民族学博物館のチケットが必要