吉本新喜劇の中堅俳優、高井俊彦が8月27日の誕生日に「芸歴30周年&生誕50年記念祭『高井俊彦新喜劇』」を初めてなんばグランド花月(NGK)で開催する。

高井といえば、二枚目だが165㌢と上背がないため新喜劇では「顔でかっ!?」「三頭身!!」とイジられるキャライメージが強い。派手なボケ役ではないが、その実態は奈良市出身で漫才コンビ「ランディーズ」経て、俳優活動に入りNHK教育テレビ「中学生日記」で教師役などを演じた経験も。吉本男前ランキングの常連で、2007年新喜劇入り。座員総選挙では昨年まで2年連続発表対象の25位以内に入選しており根強いファンがいる。10年からテンダラー白川率いる「ジ・白川バンド」のボーカルとして本格的に音楽活動も行い、殺陣なども含め芸達者として知られる。

「〝周年に何かやりたい〟と会社に相談したら〝君の誕生日8月27日夜、NGK押さえたで〟と。びっくりしましたわ。キャパ900席の大劇場ですが、それ以上に入場料も高くなりますから。もちろん手売りもするし、知り合い全部回りますがそれでも完売は大変。皆さん、どうか助けて下さい」とひたすらお願いの日々。

多彩な芸風を全て駆使した出し物をふんだんに用意。「当日はバンドによる歌はもちろん、実業家に転身した元相方の中川貴志くんにも声掛けて久々に漫才もやる予定ですが、何と言っても僕が手掛けた新喜劇ぜひ観て下さい」と張り切る。高井と言えば、森田まりこと組んで8年前から始めた新喜劇ユニット「しんきげきといっしょ!」が有名。客席の親子連れと一緒になって、歌って踊り、子どもたちも新喜劇に参加するイベント。こうした要素も当然加味して舞台構成が作られつつある。

高井は演じる立場からの新喜劇について「今の時代は身体的なイジメや暴力的なギャグはご法度ですから、そういう意味で以前に比べ笑いを取るのが難しい面もある。今の座長は皆、芝居がしっかりしていて愛がある。難しいけど演じていて楽しい。そうした令和の新喜劇を僕も是非単独公演で主役として演じ、演出してみたい」と張り切っている。
(畑山 博史)