国土交通省が3月22日に公示地価(2023年1月1日現在)を発表した。大阪では「商業地」の地価が平均でプラス2.5%となった。心斎橋や道頓堀など大阪市中心部もコロナ禍からの回復がみられ、3年ぶりの上昇に転じた。
インバウンド増でミナミも復調へ
大阪市内の商業地で上昇率が最も高かったのは、福島区福島6丁目の8%。再開発が進む「うめきた」周辺の利便性が高まり土地の上昇が目立った。
商業地の最高価格は、グランフロント大阪南館(北区大深町)で、1平方㍍あたり2240万円と前年より1.4%上昇。ミナミも23年1月の関西国際空港の外国人旅客数が前年同月比で70倍近い約75万人に上るなど国内外からの観光客が増加。心斎橋や難波周辺の地点はいずれも横ばいか上昇し、復調の兆しも。
ただ、ミナミの黒門市場はマイナス1.4%と商業地で最も下落率が高かった。万博会場の夢洲(ゆめしま)に近い「港区波除2丁目5番21」は7.1%上昇した。
大阪で最も値上がりしたのは堺市美原区平尾290番3で、上昇率は13.6%。昨年11月に開業した「ららぽーと堺」の効果だ。
西、中央、都島 住宅地4%以上アップ
大阪市内の「住宅地」は、全体の平均でプラス1.6%と2年連続で上昇。住宅地で最も価格が高かったのは、JR新福島駅から南へ約450メートル地点、リーガロイヤルホテル対岸の福島区福島3丁目で、1平方メートルあたり116万円(昨年比8万円増)だった。同地点が最高額となるのは7年連続で、昨年から7.4%上昇した。
市区町村別に上昇率が高かったのは、大阪市西区5.5%、同市中央区と都島区4.0%だった。