
時代とともに供養のスタイルは変わりつつある。お墓を持たない選択をする人が増える一方で、供養のカタチに迷う人も多い。大阪市天王寺区で約1200年ほど続く「興徳寺」は、従来の形式にとらわれない供養の一つとして海に還る「海洋散骨」を行っている。
住職と見送る「海洋散骨」
興徳寺は伝統的な供養方法に加え、現代のニーズに応える海洋散骨を導入した。「美しい自然に還りたい」「大好きな海で眠りたい」という故人の要望が増える中、遺族からすると遺骨が残らないことで「喪失感を感じる」という声もある。加えて、遺族が定期的に墓参りをしたい場合、供養する場所がないという問題もある。遺骨を散骨した海洋まで赴くということも可能だが、同寺院では遺骨の一部を興徳寺に残して永代供養ができるようにした。こうして残された遺族が手を合わせる場というものも提供している。
同寺院の海洋散骨は「故人と遺族の気持ちに寄り添っていきたい」と、住職による儀礼を船上で執り行う。「大切なのは、送り出す人の気持ちがしっかりと故人に届くこと。そのために私自身も船に乗り、一緒に見送る事を大切にしています」と住職は語る。

「海洋散骨」に興味があるが、実際のところ漠然としすぎていて分からないという人向けに、初の体験ツアーを企画する。日程は4月27日で、実際に船に乗って散骨する海上に移動。読経後は海上でのバーベキューを実施する。詳細は森氏、電話090(8798)9724へ。