大阪狭山市を中心に南河内地域の中高生らで構成する「大阪狭山キジムナーの会」主催の舞台表現活動「表現倶楽部うどぃ」(沖縄の言葉で「おどり」を意味する)が3月30日、SAYAKAホール大ホール(大阪狭山市)で本公演の舞台「ひとつ星の伝説」(大阪狭山市、大阪狭山市教育委員会後援)を昼・夜公演の2部制で開演する。創立19周年を迎える同会は一年間の集大成として毎年3月の最終週に実施している。

きっかけは、同市の中学生が、修学旅行の沖縄で出会った「組踊(くみおどり=琉球の歌舞劇)」で、子どもたちの「自分たちもやってみたい」という気持ちと、それに反応した保護者らの「子どもたちに新しい居場所を作りたい」という思いから始まった。その後、2006(平成18)年に地域と学校と公民館が連携した「公民館講座青少年セミナー」として中高生を対象に開講された。
近年になり、不登校や学校への行き渋りが注目され、フリースクールや子ども食堂などの環境が急速に整備されてきた中、同会の活動もこの課題に向き合って作り上げている。
舞台は同市の歴史を絡めた物語と現代の子どもらの感性を掛け合わせて、歌や踊り、バンド演奏、演劇を取り入れたオリジナルの表現活動になっている。そもそも「子どもたちの居場所事業」として始めた活動であるが、普段の練習の場・時間の提供だけに留まらず、同市の地域活性化の原動力となっている。



また、稽古以外にも清掃活動や、福祉施設でのボランティア体験、小中学校行事での舞踊指導など幅広い活動を通じて、子どもたちは地域住民との関係づくりで仲間を増やしている。上演作品は同市を題材にした内容で、子どもたちは演じるにあたって作品そのものを知るために、地域の歴史の聴き取りをしたり、地域について学んだりしており、これまで気付かなかった同市の魅力やルーツ発見につながっているという。
同会を卒業した子どもらの多くは、活動を通じて芽生えた地域住民への感謝の気持ちや地元への愛着を恩返しすべく「さやま未来プランナー(18~23歳)」という団体を結成している。人・情報・地域を繋ぐさらに幅広い活動を通して、同市の活性化に貢献し、自身が学んできた場に現役生を指導するスタッフとして携わる卒業生もいる。
今年の公演は、数年前から協力関係にある和歌山県の団体「あすなろ倶楽部・絆の星」や枚方市の「ひらかた肝高倶楽部」、佐賀県の「表現の絆みらい」「飛翔倶楽部たけお」と同世代の子どもらも参加する。それら土地に伝わる伝承や、歴史を題材にした舞台をそれぞれに作り上げ、地域の世代間を超えた縦や横のつながりを生み出している。
同市の地域活動団体や企業から多数の協賛を得ている同公演。チケットの申し込みは同会、またはSAYAKAホールチケット窓口へ。自由席は前売りで大人2000円、高校生以下1000円で販売している。障がい者手帳の所有者は半額となる。
詳細、問い合わせはメール(kijimunanokai.os@gmail.com)へ。
■大阪狭山キジムナーの会