【なぜ大事?足の健康②】「一生つき合って行くしかない」とあきらめていた“魚の目”よ、さらば!

(柔道整復師・鍼灸師 前田直樹)

 歩くたび、ズキズキと響く「足の裏」の痛み。仕事中、友人との買い物、自宅でくつろいでいるときさえもAさんは「魚の目」に悩まされ続けていました。

ドイツ式フットケアの技術で魚の目を除去

 当院に初来院されたAさんは、「まるで小さなトゲが刺さっているかような感覚なんです。何度も市販のケア用品に手を伸ばしてみたけれど一向に解決しない。『これは一生、付き合っていくしかない』と半ばあきらめています」と話しておられました。

 魚の目=正しくは鶏眼(けいがん)=とは、皮膚が硬く厚くなり、その奥に芯のような部分ができる症状です。主な原因は圧迫や摩擦で、Aさんの場合は“普段履いている靴”が原因でした。Aさんは、少し窮屈でヒールの高いこの靴を気に入っていたのですが、合わない靴を履き続けた結果、魚の目が育ってしまった。このようなAさんと同じ悩みを持つ患者さんは実に多いのです。

Aさんがこれまで試した方

 Aさんは最初、ドラッグストアで見つけた「魚の目パッド」を試したそうです。芯の部分を保護して圧を和らげるタイプのもので、痛みは一時的に軽減。しかし、魚の目を取り除くことはできませんでした。

 次にAさんが試したのは、削るタイプの専用やすりです。表面の硬くなった皮膚を削って、少し楽になりましたが、しばらくすると魚の目が再発。そのとき、自分でケアするには限界があると感じたようです。

 Aさんが試したようなセルフケア以外に、ハサミやつめ切りで魚の目をカットした結果、皮膚がさらに硬く厚くなり、余計に悪化したというケースも見受けられます。

解決のきっかけ

 そんなある日、Aさんは友人に「ドイツ式フットケア」のことを教わります。魚の目やタコ、巻き爪などを足専門の技術でケアする方法で、ドイツでは医療の一環として発展。近年では、日本でも広がりを見せています。

 こうした流れで当院を予約したAさん。最初は半信半疑だったそうですが、「初めて施術を受けたときの感動が忘れられない」そうです。Aさんの痛みの原因となっていた芯を完全に取り除いた後、専用の器具で硬くなった部分を滑らかに整えました。施術後の経過を尋ねると、「足全体が軽くなり、皮膚が若返ったような感覚」と話してくれました。

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魚の目との「別れ」

 その後、Aさんは定期的にドイツ式フットケアを受け、長年悩まされていた魚の目からついに解放されました。

 魚の目の原因は人それぞれ。Aさんのように合わない靴が原因になっている場合もあれば、足指が使えていない場合、足首が硬くなり歩き方が不自然になっている場合もあります。足のトラブルを繰り返さないためにも、痛みの部分だけにアプローチせず、体全体から評価している、加えて問題を解決できる技術を持っている、などの視点でサロン選びを行いましょう。

 「魚の目と、一生付き合っていかなければならない」と半ばあきめていたAさん。これまで痛みを我慢して歩くことで姿勢が崩れ、腰痛や肩こりも誘発してしまっていましたが、根っこの足のトラブルを解消したことで、体全体まで楽になったことに何より驚いたそうです。

 人生100年時代。健康寿命を延ばすためにも、足の健康と向き合ってみるのもいいかもしれません。

>>「100歳まで歩ける靴」を研究 WALK鍼灸整骨院の前田直樹総院長

足袋型のシューズを開発した前田さん

前田直樹(まえだなおき)プロフィル 柔道整復師・鍼灸師・シューフィッターで、大阪市内に3院を展開するWALK鍼灸整骨院の総院長。「100歳まで歩ける足」をテーマに地域住民の健康づくりを支えている。院で治療しても患者が再び体を悪くして来院するのはなぜかに疑問を持ち、原因は靴にあると行き着く。このため、治療院を運営する傍ら、歩きながら治療効果も期待できる足袋型のシューズを開発。普及に努めている。