大阪初の女性専用人間ドック専門施設開院 院長にインタビュー

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「気軽に受診して、日々の健康に役立ててほしい」 井田院長にインタビュー

 大阪市福島区に9月2日開院した「中之島クリニックレディースプラザ」は、大阪初となる、女性専用の人間ドック専門施設。近年、男性と女性とで受診日を分けたり、検査を行うフロアを分けたりするといった配慮を行う施設は増えているが、「女性専用」となると全国的にもまだまだ珍しい。

 同院が問題視するのは、同世代の男性と比べて女性の人間ドック受診率が低い社会事象である。女性たちの受診を妨げる理由はさまざまだが、「検査も相談も、同性の医師やスタッフが望ましい」「検査着は薄手で、着脱する機会も多いので、男性と同じ空間だと気を遣う」と考える女性利用者が一定数存在するのは確か。

 女性が安心して、もっと気軽に検査に臨むことができる環境を整えることで受診率が上がり、女性の健康寿命の維持や向上に役立つことが、中之島クリニックレディースプラザの目指すところである。

<井田院長インタビュー>

井田みどり院長

―男性と比較して、女性の人間ドック受診率が低いということだが

 健診・ドックの受診率は、男性に比べると全体的に女性では少なく、人間ドックに至ってはさらに顕著です。人間ドックの定期受診が増える40代以上の男女で比較した場合、男性は所属先の企業から受診が義務付けられることが多い一方で、就業されていない女性や就業時間が少ない女性などでは受診を促される機会が少なく、ついつい受診を逃しがちです。その傾向は全国的に見ても同じと言えます。

―女性の人間ドック受診率の低さを問題視するのはなぜか

 最近では乳がんが多く、子宮がん、卵巣がんといった女性特有の疾病は近年増えています。子宮頚がんの罹患(りかん)率は20代後半から、乳がんでは30代後半から増加しますが、子宮がん検診(20歳以上)や乳がん検診(40歳以上)の受診率は4割台にとどまっている状況が背景としてあります。
 人間ドックでは、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病、女性に多い甲状腺疾患・骨粗しょう症などが見つかることもしばしばあります。万が一、がんなどの疾患が潜んでいた場合の早期発見と早期治療は大変重要であり、そのお役に立てればと考えています。
 そのため、「女性専用」という点に加えて、医師の診断をAIがサポートする「AI機能付き上部消化管内視鏡(胃カメラ)」や、通常のマンモグラフィの場合に乳腺の重なりに隠れて発見しづらい病変でも乳房を多方向から撮影することで発見の可能性を高める「3Dマンモグラフィ」といった最新機器の導入にもこだわりました。

3Dマンモグラフィ
AI機能付き上部消化管内視鏡(胃カメラ)

―なるほど。そうした経緯があって、女性専用の人間ドック専門施設が誕生した

 はい。人間ドック受診に対し、女性がハードルだと感じる部分を少しでも取り除いて、1人でも多くの女性に「受診してみようかな」と思っていただくことがまずは大切だと考えます。そこで参考にしたのが、アンケート回答での「女性医師が望ましい」「検査着は薄手で、着脱する機会も多いので、男性と同じ空間だと気を遣う」といった女性受診者の声です。
 当院では、医師も看護師も技師も受付もスタッフはみな女性。受診者もみな女性。女性特有の悩みなどの相談も行い易く、薄手の検査着で過ごすことに感じる抵抗感も少ないでしょう。

―女性専用施設ということで、他にもこだわった点はあるか

 女性が安心して検査や診察に臨み、待機時間や受診後のひとときもリラックスして過ごせるような空間設計にも工夫を凝らしています。例えば、受付付近に設置したシンボルツリーや、カフェコーナーの絵画を眺めて、安らいだ気分になっていただけたらうれしいですし、ドリンクの種類には白湯だけでなく、ルイボスティー、お茶や味噌汁などもご用意。
 受診後にきちんと身支度を整えていただけるよう、パウダールームには化粧台とは別に等身大の鏡(姿見)も設置してあります。女性は室温に敏感な方も多いので、エアコンの温度設定も調節しています。

―女性視点での心くばりが行き届いていて、初めて人間ドックを受診する女性も安心

 ありがとうございます。現在は、乳がん・肺がん・大腸がん検診が推奨される40代以上の女性のご予約が多い印象ですが、今後は20代、30代の女性にも気軽に受診していただき、ご自身の健康状態のチェックや管理、予防に役立てていただきたいです。

■中之島クリニックレディースプラザ/大阪市福島区福島二丁目1番34号 関電不動産大阪福島ビル3階/フリーダイヤル(0120)489215