「2100年8月21日の天気予報は?」 お天気キャスターが集結 地球の温暖化を考える

 吉本興業や在阪テレビ局などで作る一社法人「チーム関西」が主催する「Warai Mirai Fes 2024~Road to EXPO 2025~」の一環でSDGs(国連が2030年を到達目標に立てた17の持続可能な達成目標)に関連したイベント「地球温暖化ってなぁに? テレビで活躍するお天気キャスターと学ぼう!」が大阪なんばのYES THEATERで開かれ、親子連れなど約150人が参加した。

出演した左から正木、片平、塩見、広瀬の4人のお天気キャスター

 司会の上方落語家・月亭八光はじめ、お笑いコンビ「藤崎マーケット」、国連広報センター根本かおる所長、そしてABC「おはよう朝日です」正木明、カンテレ「newsランナー」片平敦、NHK大阪放送局「おはよう関西」塩見泰子、MBS「よんチャンTV」広瀬駿の各局現役お天気キャスターが集合。授業形式で地球温暖化の現状と防止策に関する説明をリレーで行った。

左から八光、根本所長、藤崎マーケット

 会場だけでなくYouTube生配信も含め多くの子ども達が見守る中、温暖化による海水温と水位の上昇がもたらす怖さや、ゲリラ豪雨と干ばつの被害について分かりやすく勉強する内容。根本所長は「地球温暖化は国境を越えた問題なので、皆が力を合わせ解決しなければいけない。総論賛成各論反対の地域エゴに陥る事無く、科学的知見をしっかり学んでほしい」と訴え。

スクリーンを使って温暖化の影響を説明するカンテレ片平キャスター

 まずスクリーンに今世紀末の「2100年8月21日の天気予報」の予想映像が映し出され、正木キャスターが「日本列島の夏は沖縄を除いてはどこも気温は40度超、冬でも夏日が続き、一年中熱中症で搬送される人が続出」と報告。

 続いて塩見キャスターが大阪城公園からの架空レポートに登場し「立っているだけで頭がくらくらする危険な暑さ」と状況を訴え、「日本ではもう夏のオリンピックは開催できません」と深刻な表情に。

 すると片平キャスターは海岸から「温暖化による海面上昇で、日本の砂浜のうち80%消失」と衝撃の架空中継レポート。

 最後は広瀬キャスターが「巨大台風の凶暴化」による米国をはじめとする農作物の多大な被害状況を説明。参加者は真夏の暑さぐらいしか感じていなかった温暖化による暮らしへの危険な影響の数々に、皆次第に真剣な表情に。

「未来予想〜世紀末、日本はこうなる〜」と題した塩見が担当した授業では〝大阪の8月の最高気温が140年間でどう変わってきたか?〟を過去のデータに基づき棒グラフと折れ線グラフで表示。

 塩見が「ご覧の通り大阪は右肩上がりで気温が上がっており、世紀末の暖冬が多くなると春にサクラが咲かなくなるかも」と日本人が大好きなお花見文化が消失する危険性を示唆した。

出演者が勢揃いしてイベントの感想を語る

 根本所長は国連と日本報道機関での連携キャンペーン「1.5℃の約束~いますぐ動こう、気温上昇を止めるために」を紹介。

 「自分は何ができるのか?皆が力を合わせてやればまだ間に合う。多量のCO(一酸化炭素)ガスを排出している先進大国がまず対策に手を打つべき」と力を込めた。

(畑山博史)