大人顔負けの献立に驚き 子どもらがメニューから考えて調理

「料理」で子どもの〝経験値〟を伸ばす学童保育

 放課後の児童の居場所づくりが報道などで話題となる中、大阪市北区に料理が作れることで話題になっている学童保育がある。地下鉄谷町線「南森町」駅すぐに昨年4月に開校した「学童ほなな」だ。

 施設前からは子どもたちの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。施設に入ると、エプロン姿の女の子が目に飛び込む。辺りを見回すとどうやら子どもたちは料理をしている。

 「ほななの特徴はみんなで料理を作ることなんです。レシピを見て想像力を働かせ五感をフルに使う。〝できた!〟の達成感も得られて自己肯定感にも繋がります」。こう話すのは岩浅室長。時には子どもたちだけでメニューを考えることもあり、大人顔負けの献立にスタッフたちが驚かされることもしばしば。「出来立てのご飯をみんなで食べるのもコミュニケーションの一環として大切にしています」(岩浅室長)

 子どもたちの楽しそうな表情からは、従来の〝預ける場所〟といった学童保育のイメージは一変する。

 施設では料理以外にも、本を読んだりピアノを演奏したりして思う存分、好きなことに時間を使えるようになっている。少人数制を採用しているのは一人一人の「子どものやりたい」に全力で応えるためだ。「心が満足すれば、何でも頑張れる子どもになると信じています」と岩浅室長。

 「ほなな」の強みは他にも。子どもたちが制作した作品をワークショップで出品。販売も子どもたちで行い、どうすれば売れるのかをみんなで考え工夫し合う。また、毎月1回外部の専門家を招きイベントを開催。過去には、プロの「アイシング教室」や魚屋による「魚の捌(さば)き方レッスン」など、内容は多岐に渡り、その都度、子どもたちは経験値を上げていく。岩浅室長は「〝ホンモノ〟に触れることで感じる事や学ぶ事、気づきや発見があり、子どもたちの財産になっていく。たくさんの可能性を秘めている子ども時代に実りある経験をしてほしい」と話す。続けて、「〝料理でお腹を満たし、やりたいことを満足するまでやりきることで心を満たす〟そんな学童施設であり続けたい」と話してくれた。

■学童保育ほなな/大阪市北区天神橋2丁目3-2 栗山ビル2F/電話06(6357)5001