「浪速の街に春を呼ぶ」と言われる大相撲春場所(3月10日初日)の会場となる大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)の入り口に2月10日、「蒙御免」(ごめんこうむる)と大書された木製の看板が掲げられ、先発事務所の伊勢ノ海部長(元前頭・北勝鬨)ら担当の親方衆が、大入り満員と事故防止を誓い合った。
看板は、江戸時代の大相撲が時の幕府の許認可を受け興行を行う証明として掲げられていたもので、今でも本場所の開催場所や番付表中央に大書されている。縦2㍍、横36㌢の看板は、木の台座に据えられ高さ4㍍以上あり、大柄な親方も見上げる位置に固定された。
一昨年の春場所後から大阪場所担当となった同部長は、前売りチケットがすでに全日程で完売近いことを明かし「大阪場所はコロナ禍でもずっと熱心なファンに支えていただき感謝しかない」とホッとした表情。
新大関・琴ノ若の誕生で2年半ぶりに4大関となり「先場所同様、横綱照ノ富士が大きな壁になるから簡単には勝たせてもらえないと思うけど、上位陣で切磋琢磨して土俵を盛り上げてほしい」とエール。能登半島地震災害義援金の募金箱は初場所に続いて場所中入り口に設置。「(遠藤、大の里ら)石川県出身力士が頑張ってくれると思うよ。それとご当地・芦屋出身の大関貴景勝。角番だからね、意地を見せてくれるでしょう」と期待を寄せた。
昨年の春場所は、まだコロナ禍の最中で、声出し規制などさまざまな観戦制限があったが、「今年は久しぶりに何も規制のない春場所。お客さんには思う存分、大相撲館内の雰囲気を楽しんでほしい」とPRした。
(畑山 博史)