セカンドライフの「住まい」の選び方 シニア向け住宅・老人ホーム

介護イメージ

 超高齢社会の現在、あらゆるニーズに合わせてシニア向けの住宅・施設は多様化している。大切なのは〝その人らしい暮らし〟ができる住まいをしっかり見定めて選ぶこと。それぞれに特徴、入居条件や設備基準があり、種別によって契約形態や発生する費用も異なる。また何より、雰囲気といった相性面はかなり重要。本特集で各施設の特徴を知って、興味のある施設には実際に足を運んで確認してみてほしい。

 老後の住まいのことを考えると、生前整理や相続の話にもつながってくる。取り組んでいくと意外と膨大で、心身ともに体力のいるものなので、「もう少し衰えてから」ではなく、むしろ介護とは無縁なほど元気なうちに少しずつ取り組むのがいいだろう。

住まい選びのポイント

自由度 or サービスの充実さ
 ケア・サービスが充実であるほど、健康・医療面の心配は減るが、自由さは失われる。サービス内容としては、食事、清掃、身体介護、リハビリなど、施設によってそれぞれ

価 格
 付帯サービスや設備の充実さに比例して費用は上がるので、そのバランスを考慮する必要がある

施 設
シンプルな設備がいいか、充実した環境で過ごしたいか。各施設によって設備にも特徴がある。温泉やレクリエーションルームが共用設備としてついていたり、デザインに凝っていたり、ペットと暮らせる施設もある

その他
 今の介護度に合うかどうかが大きな基準になる。多くの施設が、介護度の低い状態での入居を前提としているので早めに検討した方がいいだろう。ほか、契約形態や親族の家との距離感なども重要になる

介護付き有料老人ホーム(入居時自立型)

要介護度が高くなっても長く面倒を見てもらいたい人、今既に要介護が高い人

●契約形態/利用権方式(その施設を終身で利用する権利を購入)
●ホームに常駐するスタッフがチームで包括的に介護サービスを提供するため、要介護度が高くなった場合も対応できる

住宅型有料老人ホーム

自立~比較的要介護度の低い人、自由がある程度欲しい人

●契約形態/利用権方式
●介護サービスが必要になった場合は外部業者と契約する。そのため、必要とする生活援助や介護サービスを自由に組み合わせることができる。今まで在宅介護の際に利用していたサービスも継続して利用することも可能

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)

自立~比較的要介護度の低い人、自由がある程度欲しい人

●契約形態/賃貸
●安否確認や生活相談等のサービスがついている住宅。食事を提供するところもある
●介護サービスは外部業者を利用するが、訪問介護事業所やデイサービスなどが併設されているところが多くなっている
※住宅型老人ホームと似ているが、契約形態が異なる

シニア向け分譲マンション

アクティブシニア世代、自由に過ごしたい人、老後も資産を保持したい人

●契約形態/所有権方式。売却、賃借、譲渡、相続ができる
●バリアフリー仕様。シニア向け共用設備・サービスの付帯、コンシェルジュや食事提供等のサービスが充実している
●介護サービスは外部業者。訪問介護事業所が併設され、日中看護師が常駐している物件もある

グループホーム

認知症の人

●認知症高齢者のための共同生活住居地域住民のために提供される「地域密着型サービス」なので、施設のある市区町村に住民票がある人が対象
●入居者は少人数で共同生活を送りながら入浴、排せつ、食事等の介護やその他の日常生活上の世話及び機能訓練を行う

特別養護老人ホーム(特養)

要介護3以上の人

●要介護高齢者のための長期入居ができる公的な介護施設
●費用は低額

老人保健施設(老健)

自宅復帰をしたい人

●比較的少ない費用負担で、要介護高齢者が医療管理下で在宅復帰を目指すリハビリ施設
●3カ月(半年)を目途に退居を前提とする

記者の所感 「早め終活」のススメ

 「還暦を過ぎたとはいえ、まだまだ元気だし介護や終活なんてまだ先」…そう思っている方は多いでしょう。とはいえ、何事も早いに越したことはありません。

 私事ですが、今年で89歳になる祖母の「終活」を始めました。遠方で一人暮らしをしていましたが、年齢的にさすがに厳しくなって老人ホームへの入居を決断。施設探しや入居の手続きを私がすることになりましたが、そもそも介護度によって入れる施設が変わるのを知りませんでした。祖母が入りたがっていた所には条件的に入れず、本人ガッカリ。

 同時に、誰も住まなくなる実家の整理をしましたが「そもそもこの家誰が継ぐんや…」と相続問題に直面。「●●ってどうしたらいい?」と認知症が始まりかけている祖母に聞いてもわからないことだらけ。モノの片付けだけでも1カ月かかりました。

 そんな経験を経て、50代の父母には「早めに整理整頓しよう」「数年後、急に足悪くなるかも知らんから、段差の少ないマンションに引っ越した方がええな」など話すようになりました。

 健康寿命が延び、老後も元気に過ごす方が増えた分、より「いざという時」がいつ来るか予測しにくくなったように感じます。気軽に取り組めるうちにスタートするのをオススメします。