ガソリン補助金継続 またも課税停止に踏み切らず

ガソリン補助金継続 またも課税停止に踏み切らず

 ガソリン価格が過去最高値を更新する中、岸田文雄首相は9月末までだったガソリン補助を継続・拡充し、「(レギュラー)1㍑当たり、小売価格を175円程度に抑える」と表明した。電気・ガス料金の補助も当面は現行の支援を継続する。緊急的な経済対策について岸田首相は「全国の中小企業や零細企業の事業を守る」と強調した。

 ところで今回も、3カ月連続でガソリン価格が160円を超えると、ガソリン税の上乗せ分(1㍑25・1円)を課税停止するトリガー条項発動に踏み切らなかった。過去最高の税収にもかかわらずだ。「減税するくらいなら、途中で打ち切れる補助金でカモフラージュ」という財務省の魂胆が見え隠れする。

ガソリン高騰 8割の要因は円安 電気・ガス料金の補助も継続

ガソリン価格の推移

 政府は昨年1月に、世界的なエネルギー高騰を受けて補助を始めたが、原油価格が落ち着いたことから今年に入って縮小していた。ところが8月30日、ガソリン価格が15年ぶりに最高値を更新した。

 専門家によれば、2022年初からの価格上昇は「為替の円安の影響が8割を占め、原油高の要因を上回る。日銀がこのまま金融緩和を続ける限り、円安基調は続くのではないか」と分析している。

 こうした情勢の中、岸田首相は新たにガソリン補助を継続・拡充すると表明。補助期間については「年末まで講じることする。国際的なエネルギー価格の動向も注視しながら必要な対応を考えたい」とした。

 185円程度(8月30日現在)のガソリン価格について、岸田首相はロシアがウクライナ侵攻を始めた直後にあたる22年3月の175円程度の水準を目指すとして「10月中には実現したい」と述べている。

 財源については、「すでに計上している今年度予算の範囲内で対応できる。予算額を積み増すことはしない」との認識を示した。ガソリンだけでなく灯油や重油も支援対象にし、ガソリン税を軽減する「トリガー条項」の凍結解除は否定した。

 本紙の世論調査でも電気やガス、ガソリン代の負担軽減策の延長は8割強の読者が「必要」と回答。「物価高が生活に影響しているか」との問いでも、「大いに」「ある程度」を合わせて9割強に上った。

 岸田首相は電気・ガス料金の補助に関しても、これまで「9月末まで」としていたが、政府が9月中にまとめる経済対策を実施するまでの間、支援を継続する。

 ただ、9月使用分の補助額は予定通り半減させ、年末まで延長する。このため、大手電力10社が発表した10月の家庭向け料金(規制料金)は全社が9月に比べ値上げとなった。

 関西電力も政府の補助が10月分から半減するため、標準的な家庭(従量電灯A、月間使用量260㌔㍗時)の規制料金は6146円となり、前月分から910円値上がりする。