塩野義製薬、再生医療の新興企業に出資 造血幹細胞を体外で増やす技術に注目

 塩野義製薬(大阪市北区)は5日、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)を通じ、再生医療などの次世代治療法を開発するセレイドセラピューティクス(東京都文京区)に出資したと発表した。

 セレイドセラピューティクスは、東京大学と筑波大学の研究成果を基盤に、血液細胞の源となる「造血幹細胞」を選択的に体外で増やす独自技術を持つスタートアップ。造血幹細胞を安全かつ効率的に増やすことで、難治性の血液疾患や遺伝性疾患に対する細胞治療、体外で造血幹細胞に遺伝子を導入する遺伝子治療、血流が悪くなる虚血性疾患に対する再生医療など、次世代の治療法への応用を目指している。

 造血幹細胞移植は、重篤な血液・免疫疾患に対する治療の選択肢の一つ。一方、必要な細胞数の不足や適切なドナー(提供者)の選定、移植後の合併症などが課題。同社の技術で造血幹細胞を効率的に増やすことで、こうした課題の解決に貢献することが期待されている。

 同社は2020年10月8日設立。ヒト造血幹細胞を活用した再生医療製品の開発や、遺伝子治療など次世代の治療法の開発に取り組んでいる。代表取締役は荒川信行氏。本社は東京都文京区本郷の東京大学南研究棟アントレプレナーラボに置く。

 塩野義製薬は2025年4月、新たな市場や技術領域で次世代の成長機会を見いだすことを目的にCVCを立ち上げた。CVCは、企業が将来性のあるスタートアップなどに出資し、技術や事業の成長を支援する取り組み。医薬品にとどまらず、技術・インフラ、資源など幅広い領域を投資対象としている。

 今回の出資を通じ、塩野義製薬はセレイドセラピューティクスと早期から連携し、同社が持つ技術に対して研究開発力や事業経験、ネットワークなどを生かした支援を行うことで、双方の成長と医療の発展、社会課題の解決につながる新たな価値の創出を目指す。

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