江戸時代に活躍した全盲の国学者の生涯を描いた映画「共鳴する魂 塙保己一(はなわほきいち)伝」が9月13日、大阪市立阿倍野区民センターで上映された。
保己一は7歳で視力を完全に失ったが、果敢に学問の世界に挑戦。日本中に散らばった古い書物を集めて整理し、後世の人がいつでも学問に取り組めるよう、666冊にも及ぶ大文献集「群書類従(ぐんしょるいじゅう)」を完成させた。1945(昭和20)年以前は教科書にも登場した国民的な偉人であり、ヘレン・ケラーも心の師と仰いだ。

上映後には、主催者の吉野浩さんと、FM大阪「世のため後のためラジオ」で共にパーソナリティーを務めるラジオDJでタレントのUK(楠雄二朗)さんによるトークショーも行われた。
「保己一のどこに一番衝撃を受けたのか」とUKさんが尋ねると、吉野さんは「『世のため、後のため、今の私に何ができるか』という考え方」と答えた。
吉野さんは「映画を通じて伝えたかったのは、歴史上の偉人として保己一をたたえることだけではない。幼くして失明し、自ら命を絶つことまで考えた少年が、なぜ後世に残る仕事を成し遂げられたのか。その思考と行動を、現代に生きる一人一人が実践できる形で伝えたかった」と話す。

そのカギとして紹介したのが、できないことではなく、できていることに目を向ける「加点法」だ。吉野さんは「『今の自分に何ができるか』と問いかければ脳はできることを探す。反対に『なぜできないのか』と考え続ければ、できない理由ばかり出てくる。どちらの言葉を自分に投げかけるかで未来は大きく変わる」と力を込めた。
