文楽人形が大丸心斎橋店に 学生19人が衣裳制作、伝統と現代を融合

 大丸心斎橋店(大阪市中央区)は、大阪の文化や次世代の担い手との共創をテーマに、大阪発祥の伝統芸能「文楽」を次世代へつなぐ企画「文楽ひとます座」を9月4日から開催する。

 国立文楽劇場の専門スタッフと協力しながら、大阪の服飾専門学校「ヴォートレイル ファッションアカデミー」の学生が制作したオリジナル衣裳を纏(まと)った文楽人形を展示を店内各所に配置し、文楽への関心、興味を喚起しようという試みだ。

 1階の御堂筋側入り口を入ってすぐの位置に、メインの舞台が設置され、文楽人形や学生が過去に制作した衣装を纏ったマネキン、今回の取り組みを紹介する映像などが用意されている。

 店内の天井や床の装飾にも力を入れているのがよくわかる。

 1726年に呉服屋として始まった大丸心斎橋店は、今年開業300周年を迎えるため、さまざまな取り組みを行っているが、その一つが今回の「文楽ひとます座」。
 同店は、「文楽を通して江戸時代から受け継がれる歴史や伝統と、次世代の感性が混じり合うことで、新たな文楽の魅力を発信するとともに、若年層へ文化体験のきっかけを創出し、伝統文化や心斎橋エリアの賑わいを未来へつないでいくことを目指している」という。

 「文楽ひとます座」は、大丸心斎橋店、国立文楽劇場、そしてヴォートレイル ファッションアカデミーがタッグを組んで行ったもので、1月頃に同企画が立ち上がった。学生は国立文楽劇場で文楽公演を鑑賞し、物語や衣裳について学んだ後に、同校に在籍する学生19人が4チームに分かれ、同劇場の監修を受けながら約5カ月間に及ぶ製作期間を経て、文楽のストーリーと人形衣装を作成し、縫製していったという。
 その間、学生たちが自主性を発揮し、学生ならではの感性を生かして、自分たちで試行錯誤して人形と衣装や飾りなどを縫製していった。彼らは、作品を通じて、文楽の新たな魅力を発信し、これまで文楽に親しむ機会の少なかった人にも興味を持ってもらうきっかけとなることを目指している。

 学生たちは8体の文楽人形に衣装を纏わせた。4チームがそれぞれに2体ずつ製作し、4、5、6、そして8階のエスカレーター前に設置されている。製作に際して、大丸の社是「先義後利」に象徴されるように、異なる価値が響き合うことで新たな魅力が生まれるという考え方のもと「二面性」という共通コンセプトを設定。各チームが2つのテーマを掛け合わせてストーリーを創作し、その世界観を衣裳に使用する生地や色味、技法で表現した。

 文楽というと和をイメージするが、洋風な顔だちだったり、ブーツのような靴を履いている人形もある。また大丸のマークを衣装に入れ込んだデザイン、大丸のシンボルの孔雀の羽を表現したものや、百貨店をイメージするエレベーターを吊るすロープを表現したものなど個性豊かな仕上がりになっている。

 各人形の側にはスタンプが置かれており、1階の心斎橋側の入り口にあるスタンプと合わせて全8つのスタンプを集めるラリーも行われている。

 会期は、10月1日まで。会場は本館1階の御堂筋側イベントスペース、本館4、5、6、8階エスカレーター前。本館1階の御堂筋側イベントスペースのみ、9月23日で終了。

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