ゴッホ「跳ね橋」と印象派の巨匠42人70点 ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵作品が大阪へ

 あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で展覧会「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵」が7月4日から9月9日の間、開催している。

 同展覧会ではフランスの印象派とその前後を、マネ、モネ、ルノワール、セザンヌ、シニャック、ユトリロなどの画家が描いた作品の数々を揃えて充実のラインナップでご紹介している。

 伝統と新しい芸術の間で葛藤したマネやコロー、光の表現を追求したモネやルノワール。さらに理論的に美を追求したセザンヌ、シニャックや、個人の感性を色彩で解放したマティス、ユトリロまで。42人の巨匠たちによる70点の作品を通じ、絵画史に残る革新は画家たちの、時に世代を超えた、相互の影響関係の中で展開されたことに気付かされる。
 とりわけ、ドイツの美術が新たな局面を迎える頃に収集されたマネの「アスパラガスの束」と、印象派以降の流れのなかでも際立つ存在であるゴッホの「跳ね橋」が見どころ。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《跳ね橋》 1888年 油彩、カンヴァス Wallraf-Richartz-Museum & Fondation Corboud Cologne

 作品は、作者の年代順に展示されており、人物などを写実的に描く印象派以前からバルビゾン派、煌めく光を捉えて風景などを見たままの印象で描く印象派、見えないものも描こうとしたポスト印象派、対極の色を並べることでより明るい表現に拘った点描派、と時代ごとに作品のテイストが移っていく。 
 画家たちが時代を跨いで登場し、活躍し、交流し、お互いを刺激しあって、新しい時代を生み出していく。19世紀後半から20世紀前半の約70年ほどの期間に起きたアート世界の変換を感じ取れる内容になっている。

 展覧会のタイトルに「ゴッホの跳ね橋」とあるが、実際にはゴッホの作品は跳ね橋ともう一点だけで、タイトルの後半の「印象派の画家たち」の作品が大部分を占めていることで、印象派の時代を軸にその前後の時代の動きを感じ取ることができる。

 また、この展覧会のユニークなポイントとして、「もう少し詳しく解説」という形で、展示作品や当時の状況などのプチ情報を短くまとめてパネルが設置されている。「印象派の呼称は皮肉」や、「跳ね橋は5点描かれた」「ポスト印象派と新印象派は違う」など、なかなか気になるトピックを取り上げているので、一つずつ目を通してみてもらいたい。

 ゴッホや印象派の作品は広く知られており、展覧会も多数行われているので、アートの造詣が深くなくても、楽しめる展覧会の一つだと言えそう。展覧会を主催しているあべのハルカス美術館は、より多くの人にアートを楽しんでもらいたいという想いを持って、この展覧会を開催していて、イベントを用意したり、コラボグッズを販売している。

 その中に、ハルカス大学連携 夏休み子どもプログラムがある。美術館デビューの小学生に向けたレクチャーを行い、館内でのルールや鑑賞マナーを学んだあと、親子でゆっくり作品を楽しめる時間を取ったもの。同プラグラムは人気のため、参加者の応募受付が開始されるとすぐに枠が埋まってしまい、アートに興味のある子どもたちが多いことがよくわかった。

 開館時間は火曜~金曜が午前10時~午後8時、月曜・土曜・日曜・祝日が午前10時~午後6時。入場は閉館30分前まで。観覧料は一般2,100円、大学・高校生1,700円、中学生・小学生500円。

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