新医療機器開発で文科大臣表彰 患者の負担軽減

大阪冶金(やきん)興業

 今年で創業85周年を迎える金属熱処理加工メーカーの大阪冶金興業(大阪市東淀川区)の寺内俊太郎社長ら5人はこのほど、「チタン粉末の成形技術と生体活性処理による新医療機器の開発」が認められ、文部科学大臣表彰「科学技術賞(技術部門)」を受賞した。同表彰は、科学技術に関する研究開発や理解増進などの分野で顕著な成果を挙げた個人や団体を顕彰する制度で、文科省が毎年実施している。
 同社は、患者自身の骨を採取せずに使用できる脊椎(せきつい)ケージを開発し、臨床での使用を実現した。
 脊椎ケージは、脊椎手術で椎間板(ついかんばん)を取り除いた部分に挿入する小型の医療用プラント。脊椎を安定させるとともに骨の癒合(ゆごう:離れ離れになった骨同士が、細胞の働きによって再びくっつく過程)を促す役割を担う。従来は患者から採取した骨を砕いてケージ内に詰める必要があり、身体的負担が課題となっていた。
 そこで同社は、純チタン製の多孔体(微細な穴が無数に開いた材料)に骨との結合を促進するアルカリ加熱処理を施すことで、患者自身の骨の採取を不要にする脊椎ケージを開発した。
 また、下あごの欠損部を修復・再生する固定プレートの開発では、3D積層造形技術という3Dプリンターを使った先進的な製造技術を活用。患者一人一人のあごの形に適合したチタン製人工骨を製作し、手術中に平坦なプレートを曲げて調整する作業の負担軽減につなげた。
 これら2種類の医療機器は世界初の製品として実用化され、日本の脊椎外科および口腔外科分野における新たな治療法の確立に貢献した点が高く評価された。

表彰状を手にする寺内俊太郎氏(左から4人目)
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