「事業承継、準備に5年から10年」、早期着手の重要性共有 中小機構近畿本部がセミナー

セミナーで事業成功の成功と失敗の事例について具体的に話した福本翔吾さん

 「事業承継で守る地域の未来」セミナーが2月5日、大阪市北区のグラングリーン大阪で開催された。黒字廃業や取引網の分断が地域経済に与える影響が懸念されるなか、小規模事業者への承継支援を強化している中小企業基盤整備機構 近畿本部が主催企画したもの。会場とオンラインを合わせ約150人が参加した。

 基調講演では、中小企業診断士の渡井口修士さんが登壇。「1650件以上の相談から確信!事例は語る、事業承継のここが肝要」と題し、実際にあった複数の具体的事例をもとに、各案件の課題点や成果、支援のポイントを詳細に説明。また、これを踏まえ、先延ばしにしないことを前提に、事業承継を検討する際の重要ポイントを複数アドバイスした。

 続いて、公認会計士・税理士の福本翔悟さんが「成功する事業承継と失敗する事業承継」をテーマに講演。実際によくある「失敗の共通点」として、具体的な方法を知らないまま承継を進めることで発生する問題点を具体的に紹介した。中でも「承継には想像以上の時間がかかり、5年から10年の準備期間が必要」と指摘。早期着手の重要性を訴えた。

 パネルディスカッションでは、事業承継に関わる当事者として、大阪府商工労働部の田辺寛さんや同府商工会議所の後藤忠さんらが登壇。日本では中小企業経営者の高齢化が急速に進んでおり、相談の現場では「もっと早く来てほしかった」という事例が大半で、実際に相談に来るのは問題が切迫した段階が多いという現場のリアルが伝えられた。

 会場では、成功・失敗事例の具体的な事例やアドバイスについて、スクリーンの資料を撮影したりメモしたりながら熱心に聴講する参加者の姿が見られた。(文・写真=西山美沙希)

タイトルとURLをコピーしました