CA志望から一転、24歳で地域活性化の最前線へ
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本紙編集長であり「もりぐち夢・みらい大使」を務めるU.K.こと楠雄二朗は、この地域の最大の魅力は〝人〟だと語る。そんな大阪・京阪エリアで活躍する人々に迫る「みらいびと」。
今回は、守口市の文禄堤に立つ歴史的建築物を活用した複合施設「燈森(ともり)」で、24歳にしてプロジェクトマネージャーを担う宇田知令(ちはる)さんに話を聞いた。キャビンアテンダント(CA)を目指していた学生時代から一転、古民家に新たな灯りをともす挑戦の裏側に迫る。
— CAを目指したきっかけは?
高校の修学旅行で出会ったCAさんの所作やお客さまへの誠意に感動し、「こんな空間で働きたい、海外にも行きたい」と強く思いました。大学では国際英語を専攻し、並行して専門学校にも通うほど本気でした。しかし、大学入学がコロナ禍と重なり、2年間ほとんど通えず、就職活動の時期には航空会社の募集がすべてストップ。現役CAさんが医療支援に入るほどの状況で新卒採用もゼロでした。「このままニートかも」と思うほどで、働き方を見つめ直す時間になりました。
— 「空のサービス」から「地域のサービス」へ。転機は?
スターバックスでの接客経験から、「お客さまに喜んでもらう」というサービスの本質は変わらないと気づき、別の道を模索し始めました。
転機は、大阪市城東区〝がもよんにぎわいプロジェクト〟というまちづくりの活動をテレビ番組で見たとです。R PLAYオフィスの和田欣也代表の〝楽しそうに働く姿〟に衝撃を受け、「こんなに楽しそうに仕事をしている人がいるんだ」と心を動かされました。「この人の下で働きたい」と大学3年生でメールを送り、インターンとして活動に参加。さまざまな会社を巡ったり、イベントを手伝ったりと想像以上に大変でしたが、毎日違うことに挑戦する不規則さが自分には合っていました。梅田や難波より下町の雰囲気が好きだったこともあり、古民家再生の現場は〝ぴったり〟でした。2024年に正式入社しました。
— 入社4カ月でプロジェクト責任者に抜擢
最初は「私ですか?」と思いましたが、市が進める「守口市駅北側エリアリノベーション戦略」の一環であることもあまり分からず、「やります!」と即答しました(笑)。
守口は、YouTuberのレイクレさんの影響で文禄堤を訪れた際、小京都のような雰囲気に惹かれた場所。どこか縁があるのだろうな、と感じています。

— 施設名「燈森(ともり)」に込めた思いは?
ランドマークが少ない守口に、〝森の中に灯りがあれば人が集まる〟という思いを込めて、旧字体の「燈」という字を使いました。守口がかつて「森口」と呼ばれていた歴史も、この名前に反映しています。
改修工事が終わり、地ビール工房やフラワーショップ、オフィスなどの入居も決まり、レンタル農園も併設しました。築100年以上の日本家屋と庭園が広がっていて、縁側から庭を眺めたり、土間や床の間のある主屋を歩いたりと、まるで時間がゆっくり巻き戻るような非日常を味わっていただけると思います。
主屋は、古民家ならではの趣を残しつつ、ゆったりとした時間が流れる落ち着いた空間です。訪れた方が自然と深呼吸したくなるような静けさや温かさがあって、地域のみなさんにとっても新しいコミュニティの拠点として親しんでいただける場所になればと願っています。
将来的には〝特別な日に使ってもらえるレストラン〟に育てたいと思っています。12月14日にはクリスマスマーケットも開催予定で、今後もイベントを重ねながら、街の人が気軽に立ち寄れる〝憩いの場〟をつくっていきたいです。
とU.K.編集長-1024x683.webp)
