人気を集める、発酵調味料の手づくり体験

世界遺産の五箇山合掌造り集落などで知られる、富山県南砺(なんと)市の魅力を紹介するイベント「南砺に息づく手仕事と発酵食文化」が、JR大阪駅に隣接する「KITTE大阪」2階のアンテナショップ「HOKURIKU+」で開かれている。店内では平日、麹(こうじ)菌を活用した「発酵調味料の手づくり体験」も開催されており、初日の12日には、定員を上回る応募者が相次ぎ、多くの人でにぎわった。18日まで。
同市は日本の原風景ともいえる、心安らぐような自然に恵まれ、伝統文化も大切に保存。産業振興の一環として、豊富な観光資源の再発掘と普及に力を入れており、今回のイベントもそうした取り組みの一つとして企画された。
夏は高温多湿、冬は寒冷で雪に覆われる同市は、酵母や乳酸菌といった微生物の活動が活発化する気象環境にあり、みそやしょうゆなどの発酵食品が普及。同市で種麹の製造、販売を行っている石黒種麹店は、北陸では唯一の種麹店(全国では10軒ほど営業)で、今回の「手づくり体験」でも、高品質と評判の同店の麹を使用している。
参加者は主婦やOLが多く、15分ほどで仕上げた発酵調味料を手に、40代の女性は「発酵食品は健康面で多くの効果があり、手作りした調味料は、肉料理だと肉が柔らかくなる、と聞いたので、早速使いたい」と笑みを浮かべていた。
イベントエリアでは、発酵食の試食(平日限定)、地元産干し柿や地ビールなどの展示販売、観光パンフレットの配布なども行っており、15、16日には同市の〝隠れた魅力〟を紹介する紙芝居『カッパのおさらと黒ぶち丸メガネ』も予定されている。
