万博閉幕 成功と課題を胸に 来場2557万人、夢洲から次の未来へ

閉会式で披露されたドローンショー。夜空に描かれた公式キャラクター「ミャクミャク」が観客を魅了した

 2025年10月13日、大阪・関西万博は184日間の会期を終え、夢洲で静かに幕を下ろした。世界約160の国・地域が参加し、科学や文化を通じて未来の姿を描いた。
 会期中の一般来場者は累計2557万8986人(万博協会発表)。最終日も多くの人が訪れ、午後の閉会式では各国代表が成果をたたえ合った。夜にはドローンショーが上演され、公式キャラクター「ミャクミャク」が夜空に浮かぶと、歓声が上がった。
 翌14日からは撤去作業が始まり、ドイツ館や中国館では展示物の搬出が進んだ。パビリオン前に立てられた「ありがとう」「また会いましょう」のボードが、交流の余韻を伝えた。
 人気の「ブルーオーシャンドーム」は来館者100万人を突破。一部施設の再利用や移設も検討されており、運営費ベースでは黒字が見込まれる。経済効果や国際発信でも一定の成果を上げたとされる。
 一方、「並ばない万博」を掲げながらも、人気パビリオンでは長蛇の列ができ、予約枠も終盤には埋まった。未使用チケットは推定で約130万枚に上るとの報道もあり、協会は「払い戻しは行わない」と説明している。
 また、猛暑やトイレの不具合、虫の発生など現場対応にも追われた。8月には大阪メトロ中央線が一時停止し、帰宅困難者が出るなど、アクセスの脆弱さも浮き彫りになった。
 閉幕後の夢洲活用も焦点となる。大阪府の吉村洋文知事は、大阪ヘルスケアパビリオンを起点に「ライフサイエンス東西軸」を形成し、産業化につなげる構想を語った。
 半年にわたり世界の知恵と文化が集い、未来への希望を発信した大阪・関西万博。夢洲は今、新たな一歩を踏み出そうとしている。

閉幕日を迎えた大阪・関西万博。会場内は身動きも困難なほどの人であふれた
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