近年、子どもの「泳ぐ力」の低下が課題となっている。小中学校の水泳授業は現在10時間程度で、さらに熱中症対策により気温が35度以上になると授業が中止となり指導時間が減少する。2023年に埼玉県で行われた調査では、25㍍をクロールで泳げない中学1年生は男子は33.9%、女子が45.5%という結果が出た。一方、2024年には水難事故が過去10年間で最多となり、教育現場での安全水泳指導は重要視されている。
そんな中、スポーツ科学を研究する大阪経済大学人間科学部の若吉浩二教授によって、安全水泳「大阪〝大の字〟泳法」の実技指導が高殿小学校(大阪市旭区)で実施された。

この補助パンツは、水泳指導に長年携わってきた同氏が考案したもの。両側面には500㍉㍑サイズのペットボトルを差し込める構造になっており、ペットボトルに空気を入れて装着することで、正しい姿勢を保ちながら浮力を得られる仕組みだ。児童たちは安心して水に体を預けることができ、自然とバランスの取れた泳ぎ方を身に付けていた。
授業では「浮く力」を習得するために、まず呼吸法や、基本姿勢となる「大の字」での浮き方を練習。その後、呼吸を確保しながら泳ぐ方法も指導を受けた。最後には落水した場面を想定し、ペットボトルを外した状態で「沈む→浮く→呼吸を確保する→泳ぐ」という一連の流れを実践。児童たちは真剣な表情で取り組み、水難時にも生かせる実践的な泳法を学んだ。

若吉教授は授業の終わりに「まず呼吸を大切にして、今日学んだ〝浮く感覚〟を思い出すようにしてください」と児童に伝えた。また、授業後に記者に対し「水泳は泳げないことで苦しいという感覚が伴いがちですが、浮くことは楽しくて気持ちいいこと。それを知ることで水泳を好きになるでしょう」と語った。
