「先進国で金融教育がないのは日本だけ」大阪のFP講師が警鐘を鳴らす現実

 「老後2000万円問題って聞くけど、結局どうすればいいの?」「新NISAは始めたけれど、本当にこれで合ってる?」

 将来の漠然とした不安を抱える女性で連日満席となっているマネーセミナーがある。「YYAssets」(北区天神橋2)が運営する、女性のためのお金の「教室」だ。講師は「金融知識において後進国である日本を変えたい」と熱く語るFP(ファイナンシャルプランナー)1級と宅地建物取引士の資格を持つ山下薫さん。参加者からは「もっと早く知りたかった!」と丁寧な解説で参加者の心をつかむ。

 いったいほかの投資セミナーと何が違うのか。実際に潜入してみた。

スポンサーリンク

「貯金しか教えない国」の恐ろしい真実

 「先進国でお金の授業がないのは日本だけって知ってました? アメリカでは小学生から投資を学ぶんです」

 セミナー冒頭、山下さんが語った日本の厳しい現実。子どもの頃に聞かされるのは「貯金の大切さ」ばかり。投資やお金の増やし方など、誰も教えてくれなかった。

 「日本人の多くが、お金に対する知識不足で損をしつづけている。この現状を変えたくて、今からみなさんにお話します」と参加者にエールを送るように講座が始まった。

「2044年問題」の衝撃

 基礎年金の底上げに関する法案が6月、参議院で可決されたが、底上げ措置に伴う財源の確保など、課題が山積みだ。少子高齢化による年金受給額の低下は国民の生活に直結する問題だが、本セミナーでは「2044年問題」として取り上げる。

 消費税や所得税の増税圧力も年々高まっていることを受け、「何もしないでいると、確実に手取りは減る」と厳しい現実を突きつける山下さん。だからこそ、節税で資産を守る対策が重要だという。

 「正しい知識があれば、節約で我慢するよりもっと効率的に資産を増やせるんです」

「節約より節税」が手取りアップの近道

 「節税なら一度見直すだけで、働いている間ずっと手取りが増え続ける」

 源泉徴収票の読み方など今からできる節税対策や、いまさら聞けないふるさと納税、新NISAやiDeCo、不動産といった金融商品の基礎を解説。たった2時間で敬遠しがちな「お金の話」への興味が湧く内容だった。

 そして他セミナーとの大きな違いは、特定の商品の売り込みが一切なかったことだ。

売り込み一切なしの理由

 「弊社は保険会社や銀行に属さない独立系FP法人で、特定の商品を売る必要がないんです。だから本当に参加された方のためになる情報だけをお伝えできる」

 セミナー終了後は、金融のプロとの個別相談も受けられる。参加者それぞれの知識や貯蓄状況に合わせ、どのように資産を運用すべきかを詳細にアドバイスしてもらえる仕組みだ。参加者全員にドリンクとスイーツ、さらに抽選で高級食パンまでプレゼント。年収制限もなく、誰でも気軽に参加できる。

 「個別相談に来る方は最初『老後が不安』とおっしゃるんですが、運用シミュレーションの結果を見ると『そんなにお金いらないです!』とびっくりされる方が多いんです」と山下さんは笑う。

毎月大阪市内で開催中

 大阪市内で月1回ペースで開催中。次回は8月23日・午後1時半〜同3時半、「働く女性の節税と蓄財セミナー」をグランフロント大阪 北館5階で開催予定。開催日の前日まで申し込み可能だ。

 「怖いからといって何もしないことにもリスクがある」と山下さん。「節税と投資を早めに始めることで、効率的に手取りと資産を増やすことは誰にでも可能です。スイーツ食べながらちょっと学ぶくらいの気持ちで遊びに来てくれたら」と、笑顔で語った。

■YYAssets株式会社/大阪市北区天神橋2-4-17 千代田第1ビル3F EF号/電話06(6766)4143
https://yyassets.co.jp/woman-semi