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「月うるる」に想い乗せて。北山たけしが14年ぶり流行歌ライブ

 スタートから30周年を迎えた演歌・歌謡曲の月例イベント「大阪発流行歌ライブ」に、NHK紅白歌合戦通算6回出場のベテラン、北山たけし(51)が14年ぶりに出演。昨年の「日本作詞大賞」最優秀新人賞を受賞した「月うるる」(横澤洋子・作詞)をはじめ、師匠で義父の北島三郎(88)が作詞・作曲した「津軽おとこ節」(2018年)など計5曲を熱唱し満員のファンを魅了した。

しゃれた襟なしジャケットの北山

 この日は初夏を思わせる気温に合わせミント色襟なしの爽やかなジャケット姿。「誂えたんですけど、高くて襟まで手が回らなかった。でもTシャツはブランドです。あの○○!」と、誰でも知っている量販店名を挙げ、会場を笑顔に。

 トークでは、自身が代表の音楽事務所「きたやま」から7月に初の新人歌手、堀内春菜(28)のデビューが決まったことを報告。この日はアカペラの即興で北島のヒット曲「風雪ながれ旅」を口ずさみ、地元・大阪出身の北島一門後輩の大江裕(35)にもエール。

「大阪発流行歌ライブ」フィナーレで肩を並べた北山(右端)と原田(左隣)

 北山の後には、同じ北島一門で九州出身、紅白キャリアと共通点の多い原田悠里(70)が登場。今度は「風雪ながれ旅」をカバーで女唄として見事に歌い上げ、北島イズム健在をアピール。終了後は2人揃ってCD即売会に直行。ファンの求めに気軽に応じ握手やサイン、2ショット写真撮影で交歓した。

CD即売でファンと握手する北山

 終了後の取材で北山は開口一番。「悠里姉さんと一緒でうれしかったけど、僕が勝手に先に〝風雪ながれ旅〟歌ってご迷惑だったかも?」と気配り。笑顔を呼ぶトークについては「師匠の付き人やっていて舞台袖で学ばせて頂きました。師匠のトークは明るくて楽しい、いつまでたっても追いつけない」と説明。初の新人歌手を預かることに「僕と同じ九州出身でコンサートで一緒になった。演歌の心をしっかりと持って、地元でコツコツと頑張ってきたようです。まず師匠に相談に行きました。〝いいんじゃないか? 背負うものが増えると責任感も増すから〟と言って頂いた。所属レコード会社も同じテイチクなので、できるだけ一緒に連れて歩くつもり」と真顔に。

北山たけしの最新曲「月うるる」のCDジャケット

 今年後半は「月うるる」を息の長いヒット曲にするため歌い込む。「レコーディングの時に、ブースの向こうで作詞の横澤先生が号泣。それを見て僕も〝頑張らなくちゃ〟とウルッときた。作曲の徳久広司先生がすごく歌いやすい低めのメロディーを付けて下さった。印象的な歌詞ですから覚えやすいと思います」と自信をのぞかせた。

(畑山 博史)