―住之江区の特徴を教えてください。
大阪市内24区の中で最も広い面積を誇っています。古来から歌の名所として知られ、「古事記」「日本書紀」には墨江、住吉、須美乃叡などと記され、いずれも「すみのえ」と読んでいました。摂津国風土記では、住吉大神が住むところを探している時に、これぞ住むべき国であると絶賛したと記述されています。かつて住みよい国、住むべき国と称えられた場所が「すみのえ」であり、今日の住之江区には「住みよい区」の意味が込められています。
古代から脈々と歴史が受け継がれてきた旧市街エリアに加え、半世紀にわたって人々が作り上げてきた南港エリア、そして造船所跡地をアートの発信拠点としてリノベーションした北加賀屋エリアなどさまざまな顔を持つ区ですね。
―子育て支援にも力を入れておられますね。
住之江区独自の施策として、令和2年度から「2歳児子育てケアプラン」をスタートしました。健診などによる把握の機会が少ない2歳児を養育する保護者の皆さまを対象に、子育てに関するアンケートを郵送します。そして、子育てに不安や困りごとがある世帯や回答のない世帯を訪問し、必要な子育て支援につなげることを目的に実施しています。
―学力向上など教育面についてはいかがですか。
これからの世の中に欠かせない英語力を身に付けてもらいたいとの思いから、区内の中学校に対して英検受験の検定料を補助しています。府立高入試では英検の合格級によって試験の点数を優遇する制度もあるので、引き続きサポートしていきたいですね。
また、学校の勉強とは少し違った視点で、ボードゲームを楽しみながら起業家体験ができる「すみのえ未来塾」を令和3年度から開催しています。小学校6年生、中学校1・2年生を対象に希望者を募って実施し、論理的思考を身に付け、自分が将来やりたいことを形にしていくキャリア教育を行っています。
―住吉公園の再整備に期待することは。
もともと時間を問わず利用率が高く、美しい花壇や近くには由緒ある住吉大社もあって魅力あふれるロケーションです。そこに民間のノウハウが加われば、区民や利用者のさまざまなニーズにきめ細かく対応していただけるのではないかと期待しています。飲食店やコミュニティースペースが新たにできると聞いていますが、私自身も一利用者として楽しみにしています。