今年傘寿(80歳)を迎えた在阪の演歌歌手、三門忠司が新曲「大阪雨情」を出した。三門は「デビューが『流れて大阪』。最初のヒットが『雨の大阪』、そして『大阪夜曲』『大阪無情』『大阪夜雨』など僕の曲は〝大阪・夜・情・雨〟がキーワードになっている物が多い。それなら〝80歳の大台をもう1回大阪モノで〟と曲作りをお願いしました」と説明。35歳で脱サラして45年間歌い続けた区切りの曲は〝戎橋、淀屋橋、天満橋〟と大阪中心部の名高い橋が登場。再び大阪からのヒットを目指している。
だんじり祭りで有名な岸和田市の出身。今夏に市街地から、大阪府郊外に居を移した。「虫の音に草の香り。日々の野菜は近くの畑で、と自然と共に暮らす心の豊かさを知りました」と話し、それを機にダイエットにも取り組み。10㌔落として75㌔まで絞り込んだ。「以前、肺がんをやったことがあるので、ファンや関係者の方に〝痩せてきたけど大丈夫?〟とご心配をかけましたがいたって元気」と笑顔に。メインの「大阪雨情」は女性の悲恋がテーマとあって、いつになく柔らかなタッチの歌い方。その分、カップリングのカバー曲「人生劇場」は大ヒットした古賀メロディーで、新たに吹き込んで元歌の村田英雄にも負けじと勢いある歌唱に仕上がった。「これまでアルバムにも入れていない曲。村田先生の曲は今でもカラオケ好きに愛されていますから」と話す。ボーナスとして加えた3曲目は三波春夫のカバー曲「大利根無情」。この2曲ともファンが多い昭和歌謡の代表作。昭和の味わいを売りにする三門らしい選曲となった。
来年2月23日夜に梅田のホテルヒルトン大阪でディナーショーを1年ぶりに開く。ゲストには人間国宝で上方浪曲界のトップ京山幸枝若(70)。「会津の小鉄」などキップのいい演目で人気がある。
「ディナーショーは公演時間がゲストを含め約3時間の長丁場。この歳になって単独でショーが開けるのは応援して下さる皆さまとのご縁のおかげ、ありがたいです。最終ゴールを考えずできるだけ長く歌い続けたい」と日々歌に取り組んでいる。
(畑山 博史)