【路線価】繁華街ミナミも回復 大規模開発のキタは好調続く

41年連続で最高額を記録した梅田の「阪急百貨店うめだ本店前」

 大阪国税局は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる路線価を発表した。近畿2府4県全体の平均値は2年連続で上昇。全国の上昇率トップ10のうち、大阪市中心部は3地点がランク入り。大阪でも「コロナ」からの回復が鮮明となった。回復が遅れていた繁華街・ミナミは、インバウンド(訪日外国人客)の活況もあり4年ぶりに上昇。大規模な再開発が続くキタも好調だ。

 路線価は、主要道路に面した1平方㍍あたりの土地の評価額。JR大阪駅北側の大規模再開発が進む「キタ」の上昇は堅調だ。同駅北側は去年より5・4%アップ。近畿の路線価で最も高かったのは、41年連続で大阪市北区の阪急百貨店前(大阪市北区角田町)。1平方㍍あたり2024万円となり、去年と比べて5・4%上昇。「うめきた」エリアの大規模開発で、ホテルや商業施設が開業することが上昇をもたらしたとみられる。

 ミナミの大阪市中央区心斎橋筋は、コロナ禍の2021〜22年に2年連続で全国最大の下落率となったが、今年は前年比13・6%増となった。

タワマンや飲食店も多く、人気高まる西区

 おしゃれなカフェや雑貨店が並ぶ西区は若者を中心に人気を集め、人口が増えている。同区の大阪メトロ肥後橋駅前は近畿で最も上昇率が高く、去年と比べて19・3%アップ(1平方㍍/340万円)。金融機関などの企業ビルが立ち並ぶビジネス街で高層マンションや飲食店も多く、人気が高まっている。

気になるわが家の土地価格

 ところで、路線価と国土交通省が春に発表する公示地価との違いは何だろうか。路線価は土地取引や金融機関の担保評価にも活用され、成約事例などを参考にして公示地価の8割程度に設定されている。路線価を1・25倍すればおよその実勢価格となる。

 土地価格に詳しい宅建主任は「自宅の土地価格を知るには、路線価に土地の面積と1・25倍を掛け算すれば、おおよその価格が分かる」と話している。

▼週刊大阪日日新聞配布エリアの最高路線価