思わず二度見する〝おでんうどん〟 おでんとうどん炎(ほむら)

うどんの上にドンとおでんが鎮座する目玉メニュー
うどんの上にドンとおでんが鎮座する目玉メニュー

 思わずカウンターに置かれた丼の中を二度見してしまった。JR天満駅に近いスタイリッシュな立ち飲み屋「おでんとうどん炎(ほむら)」(加藤竜志社長)に立ち寄った昼下がりのことだ。関西風の色薄い出汁にどっぷりと浸かるうどん(平打ち麺)に、ドンと〝鎮座〟する具に驚くやら、笑いそうになるやら…。三角(コンニャク)、丸(タマゴ)、四角ゴボウ入りチクワ)の順に「種」が串刺しされている。まさに〝チビ太のおでん〟ではないか。思わずイヤミの「シェー」が出そうになる。

 うどんといえば「さぬき」が全国的に群を抜いて著名だが、大阪も生産量は低位に止まるものの「うどん好き」では負けず、「きつねうどん」をはじめ数々の名品を生み出してきた。

店内でおいしそうに煮えたぎるおでん
店内でおいしそうに煮えたぎるおでん

 うどんの具材は多彩。地方色が濃いものも少なくなく、はっきり言ってしまうと「なんでも」具になってしまうのだが、「意外になかったのが「おでんとの組み合わせ」(加藤社長)。近年は〝おじさん〟から〝若い女性〟に客層がチェンジした天満で、居酒屋を複数、営んでいる加藤さんが「賄い食」で「おいしかった」ことから、昨年暮れオープンの新規店で〝目玉メニュー〟としての採用となった。

 おでんの出汁(カツオと昆布)を生かした風味があり、小麦の味も残されたうどんは〝話のタネ〟にぴったりだ。

内装のデザインも加藤社長が考えた
内装のデザインも加藤社長が考えた

トッピング

 赤塚不二夫のギャグ漫画「おそ松くん」に登場する「チビ太」。坊主頭で小柄で、いつもトレードマークの「串刺しされたおでん」を手に持っている。おでんが大好物で、具材(種)はいつも3種。上から三角、丸、四角の形状を並べているのは変わらない(描かれた際の見栄えを考えての配列だろう)。いくつかのバージョンがあるようだが、コンニャク、ガンモ、ナルトというのが赤塚氏の設定だとか。かつてコンビニ「サークルK」で、具は違ったが「チビ太のおでん」を販売していたが、ファミリーマートとの統合で姿を消している。

【メモ】「おでんとうどん炎(ほむら)/シン・コバチ炎―串とおでん」/電話06(6353)8365/大阪市北区天神橋5-7-5/営業時間「おでんと…」11時~15時、「シン・コバチ…」15時~23時/年末年始休み/運営「グラム」(加藤竜志社長)