大阪・関西万博 建設費最大2350億円に 政府も受け入れ

 2025年大阪・関西万博の会場整備費を巡り、西村康稔経済産業相と自見英子万博相が11月2日、整備費が最大2350億円に上振れするとした日本国際博覧会協会(万博協会)の試算を政府として受け入れると表明した。大阪府・市と経済界も既に容認しており、増額が正式に決定した。府と大阪市は増額分500億円の3分の1となる約167億円を、折半する。今後、府市の両議会に説明し、必要な予算を提案する。

吉村知事、2度目の増額、府民、国民におわび

 誘致時に1250億円とされていた建設費は、20年に1850億円へ増額。昨今の資材価格や人件費の高騰を受け、さらに500億円上振れし当初の見積もりから1・9倍に膨らむ。

 国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担する枠組みを維持し、それぞれ167億円を追加負担する。政府は会場警備費についても200億円程度を支出する方向で調整中で、さらに国民負担が拡大する可能性がある。

 大阪府と市は工事内容の見直しなどコスト削減の努力をしていることから精査結果はやむを得ないと結論づけた。住民や国民の負担が増える事態について、吉村洋文知事は「2回目の増額となったことを府民、国民におわびする。すばらしい未来につながる万博をしっかりつくっていきたいと思いますので、万全の状態で開幕を迎えられるようにしていきたい」と述べた。