常翔学園中学校(大阪市旭区)の2年生全143人が7月25~28日にかけて、富士山登山に挑む。1年生の3月に金剛山(奈良県/大阪府、1125メートル)、2年生になった5月に伊吹山(滋賀県、1377メートル)に登り、本番に向けて体力と精神力を培ってきた。あとはその日を迎えるだけ。日本一高い山“富士山”を目指す準備は整った。
富士山登山は本年度初めて実施する。根来和弘校長補佐が「一生の思い出に残る行事を」と以前から構想を練り、昨年9月に保護者に説明。登山ガイドと連携しながら準備を進め、実現にこぎ着けた。
7月25日に学校を出発。26日に5合目から登山を開始して7合目まで進み、山小屋で宿泊して翌日の午前4時に山頂に向けて旅立つ。途中で御来光を見て山頂に到着する予定だ。昨年7月中旬に予行演習を兼ねて富士山に登った学年主任の中野裕文教諭は「ワクワクドキドキする幸せな中学時代を送ってもらいたい。感動体験、達成感を実感してもらいたい」と生徒の“いい顔”に出会うため準備に骨を折る。
1年生から保護者と生徒向けにガイダンスを開き、知識を学んできた。保護者を対象にプロのガイドが講演して安全安心を伝え、不安を抱いていた保護者もその思いを払拭(ふっしょく)。根来校長補佐は「この学年からやりたかった。中学2年は元気と体力が充実している」と全員が無事に山頂に到着することを願う。
山頂を目指す北崎悠真(はるま)さんは「1年の2学期に聞いてびっくりした」が、二つの山を登ってガイドの説明を受け「けがしそうで怖いけど楽しみ。くじけないことを今後に生かしていきたい」と意気込む。
大城絢香(あやか)さんは「伊吹山に登って実感が湧いてきた。長い時間友達と一緒にいれるので楽しみの方が大きい」と笑顔を見せる。2人は「あとは本番だけ」「100%自信あり」と力強い。
根来校長補佐は「名物行事にしたい」と、来年度以降も2年生の学年行事として継続していく予定。そして「私が先頭きって行かなアカンでしょ」と相好を崩す。富士山登山への挑戦が全生徒の人間的成長につながることを目指す。