アットホームな雰囲気で、各店鋪が〝駅近〟の好立地にある美容室「美粧館」。株式会社マツモト(大阪市西区)が運営しており、理容室「理髪館」と合わせて大阪、兵庫両府県で計59店鋪を展開している。カットやカラーリングなどそれぞれの持ち場で分業性を採用しているのが特徴。そんな美粧館で、〝地域のヘアサロン、ナンバー1〟に向けて活躍を続けるスタッフの一人に話を聞いた。
「『来てよかったな』と、お客様が喜んで帰ってくださるのが一番うれしいです」。大阪メトロ本町駅に近い「美粧館せんば心斎橋店」(同市中央区)の今堀裕子店長がさわやかにほほ笑む。
声かけがうれしい
今堀さんが美容師を志したのは高校時代。「お客さんと会話しながらできる。美容室に行った時に担当の美容師さんが楽しく仕事をする姿を見ていた」のがきっかけだ。「早く技術を覚えたい」と、当時は高校の授業を終えてから美容室へアルバイトに通い、国家資格を得るため2年間の通信教育を受けながら技術を身に付けていった。
店を任されるようになった今も、そのやりがいは感じ続けている。「コロナ禍で皆が沈んでいたとき、『きれいになってうれしいわ』と声をかけてもらえたのはうれしかった。やりがいにつながった」。外出自粛が続き、来店者数も減少する中、「会社がフォローしてくれたし、スタッフの生活を守ってくれた。心配なく働くことができ、お客さまにもきちっとサービスできた」と当時を振り返る。
分業制で磨く技
同社が採用する分業制(ポジション制)は、得意分野を生かせるのが特徴だ。ポジションごとのスペシャリストを育成するのが狙いで、カットやカラーリング、パーマは完全分業。「個人の能力、自信を引き出せるもの」で、ブランクがあった人には「カットはできないが、それまでの行程なら自信を持ってできる、という人もいる。分業制なのでブランクがあっても働きやすい」。技術指導を受けながらにはなるが、「やる気さえあれば活躍できる」と呼びかける。
年中無休だが、スタッフには30代、40代を中心に、パート社員や子育てしながら仕事を続けるスタッフもいる。「希望の時間に仕事ができ、好きな曜日に休暇を取ることもできる。シフト勤務で、融通が利くのも良いところ」と胸を張る。
一度訪ねて
同店では、10代の学生から90代まで幅広い世代が訪れる。地下鉄駅から近く、商店街内に店を構えることからも、常連さんはもちろん、買い物帰りの人や「仕入れのついで」という人などさまざま。十数年前のオープン初日は、一日に220人が来店してサービスを利用したこともあり、「その時に追い付け、追い越せを目指している。皆で力を合わせ、お客さまがどんどん増えていけばいいな」と意気込む。
店長としては「スタッフの自信を引き出してあげたい」とも。「以前はバリバリ頑張っていたのに結婚や出産などで辞めてしまい、『戻りたい』と悩んでいる人には、怖がらずに来てほしいし、一緒に働きたい。あまり難しく考えず、一度訪ねてみてほしい」と呼びかけている。
【取材協力】株式会社マツモト/0120(591)222