2025年9月7日に独立から203年を迎えたブラジルは、独立記念日を祝して様々な催しを実施した。会場となった万博会場のブラジル館では、ブラジルの植物を描いた特製うちわが来場者に配布され、節目の日を彩った。
また、前日の6日と当日の7日には、「女性ウィーク」で好評を博した記念スタンプ用パスポートが特別に配布され、多くの来場者が列をつくった。来館者はパビリオンを巡りながら、スタンプを押して独立記念日を共に祝う姿が見られた。

ブラジル館の館⻑であるパブロ・リラ⽒は、「独⽴記念⽇のお祝いは、国の精神を反映し、ブラジル⼈にとって特別な⽇です」と強調していた。
7日は本国と同じように国歌の斉唱も行われ、ブラジル人の歌手エレン・リュ氏が特別ゲストとして歌を披露。彼女は、ブラジルの音楽リアリティ番組で有名になったシンガー。
また本国では全国の都市でパレードが開催され、首都では大統領がスピーチを行い、国をあげての祝賀ムードに包まれた。

7日に配布されたブラジルの植物を描いたうちわから、来場者はブラジル固有の植物について学ぶとができる。うちわに描かれているイラストは、カラテア・オルビフォリア、バナナの葉、カラテア・ルテア、そしてイベー・アマレーロの4種類。

カラテア・オルビフォリアは緑色と銀色の縞模様の大きな葉で光が少ないと葉が閉じる。バナナの葉は生分解性のパッケージとしても利用されている。カラテア・ルテアは緑色と黄緑色の縞模様の大きな葉。そしてイベー・アマレーロは日本人にとっての桜のような存在でブラジル原産の木で国のシンボル。アマレーロは黄色の意味。
6と7日に配布されたスタンプは、以前配布した「⼥性ウィーク」でのスタンプが好評だったことを受け、今回も記念スタンプ⽤のパスポートを特別に配布することにした。



アーティストのパンメラ・カストロ⽒がデザインし、雌の動物をモチーフにした5種類のスタンプを用意。彼⼥によると、イラストは⼤阪・関⻄万博のために特別に描かれ、⼥性や少⼥は壁もなく、⾃分の望むとおりになれることを意味している。動物は、オウム、カピバラ、ジャガー、アマゾンカワイルカ、アリクイで、それぞれ建築家、起業家、農業、科学などの職業を表している。



パンメラ・カストロ⽒は、世界経済フォーラムで「ヤング・グローバル・リーダー」に選出され、Newsweek誌で「世界を変える150⼈の⼥性」にも選ばれたり、彼⼥が率いるRede Namiは、社会構造の変⾰を促すために公⽴学校でアートワークショップを実施している。
うちわや記念スタンプの配布は終わってしまったが、特別上映の映画が13日まで上映され、誰でも鑑賞できるが、予約が必要なので早めの予約をオススメする。
9⽉7⽇から13⽇まで、ブラジル館ではアルベルト・ルノー監督による映画「アナ・マリアーニ―写真記録」を上映する。

本作は、芸術家アナ・マリアーニが、現代ブラジル写真を代表する2つのシリーズ「ペインティングとファサード」(1987年)、「⾵景と印象:ブラジル半乾燥地帯」(1992年)を作るために歩んだ道のりを辿るもの。旅の案内役はアナ・マリアーニ⾃⾝で、ナレーションはレジーナ・カゼが務める。さらにリナ・ボ・バルディ、カエターノ・ヴェローゾ、アリアーノ・スアスナ、ジャン・ボードリヤールの⽂章が、トン・ゼーやジョアン・ミゲルらによって朗読され、彼⼥の作品の⼒強さを伝えている。
予約先は(https://www.eventbrite.com/o/brasil-pavilion-113022319641)へ。