チェコ・ピルゼンフィル大阪万博で演奏会 落合陽一×null²の近未来パフォーマンスも

 万博会場内のシャインハットで9月4日、チェコからやってきたピルゼンフィルハーモニー管弦楽団の演奏会が行われた。

 この日はnull²(ヌルヌル)のプロデューサーの落合陽一さんとのコラボパフォーマンスでもあったので、前半はメディアアーティストの落合さんのデジタルミュージックとnull²(ヌルヌル)の中で見せるデジタルアート映像とを融合させた近未来的なパフォーマンスがあり、後半にピルゼンフィルハーモニー管弦楽団の演奏があった。

 間には、落合さんが仕掛けた特別プログラムとして、裏千家家元による茶道のデモンストレーションが行われた。会場の1500人収容の広いホールのステージで、拍手や歓声を控えた静寂の中、家元は一つひとつの所作を丁寧に披露し、お茶を点てていった。

 デモンストレーション終了後は落合さんとの対話の時間が設けられ、茶道の魅力や所作の意味について来場者に語りかけた。その後、ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団による演奏が始まり、会場は再び音楽に包まれた。

 フルオーケストラの演奏は、説明する言葉が見つからないほどの圧巻のパフォーマンスだったことは言うまでもない。中でも激しい動きが目立った指揮者の岩崎宙平氏は同楽団の主席指揮者で、輝かしい経歴の持ち主だ。

 岩崎氏は、チェコに留学し、チェコ国立プラハ音楽院指揮科ヴァイオリン科及び作曲科を、さらにチェコ国立芸術アカデミー指揮科を卒業。プラハ音楽院在学中の2012年から指揮者として活動を始め、2019年にピルゼン・フィルハーモニー管弦楽団に客演、2021年には同オーケストラの首席指揮者に就任。 その間、他の有名楽団でも指揮を執っている。

 岩崎氏のおかげか、演奏は素晴らしく、会場内はその聴こえてくる音色に吸い込まれそうな雰囲気だった。

 ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団は、5日から8日にかけてチェコパビリオンで連日演奏を行う。6日は午後5時から、7日は同11時半からシャインハットでも演奏が予定されており、会場ごとに異なるプログラムを楽しむことができる。

 クラシック音楽に興味がある人はもちろん、音楽全般に関心のある人や、単純に良い音楽を聴きたい人でも気軽に訪れることができる内容となっている。万博会場での特別な演奏会に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

 全ての演奏は無料、予約なしで鑑賞ができる。