「その子にちょうどいい暮らしを」 エキゾチックアニマルに寄り添う、世界にひとつの〝注文獣宅〟

 「まだ世の中にないものを、ゼロから形にする」――物流現場向け製品で知られるアルミ製オーダーメイドメーカー「エーディエフ」が、今年4月11日の「ペットの日」に新たに挑んだのは、エキゾチックアニマル向けのオーダーメイドケージ「注文獣宅(じゅうたく)」だ。(竹居真樹)

広々とした空間でのびのび暮らすリクガメたち

 同社は普段は工場や物流倉庫向けに、アルミ製のフレームやボックスを作っている。積載効率を上げる「ダンカーゴ」を開発し、2022年度ロジスティクス大賞、特別賞を受賞したこともある実力派だ。「まだ世の中にないものを、ゼロから形にする」ことを企業理念として掲げている。
 そんな同社が発売したのは、犬猫ではなく、リクガメ、アヒル、ヘビ、プレーリードッグなどのいわゆる〝エキゾチックアニマル〟をペットとして育てる飼い主のために、世界にひとつだけのケージをオーダーメイドで作ってくれるというサービスだ。
 発端は、あるリクガメの飼い主の悩みからだった。「木製ケージじゃボロボロになる。もっと丈夫で、日光浴用のライトも付けたい」。
 同社がアルミ製の〝大ガメ御殿〟を試作したところ、「これは快適そうだ!」と口コミが広まり、気づけば全国から「うちの子もお願いします」と相談が押し寄せた。特にプレーリードッグは多頭飼いだとけんかが絶えないということで、プライベートを重視した個室仕様に。
 市販のケージではかなわない、ペット一匹一匹にフィットした空間を提供する同社。しかもアルミ製で軽くて丈夫、掃除もしやすいのが特長だ。ケージは完成品が送られてくるが、組み立てを楽しみたいDIY派にはパーツも提供している。
 「世の中にまだ存在しないものであっても、必要とされるならば、自ら創り出してみせる。その強い想いを胸に 『こんなものがあったらいいな』をカタチにし、世界を〝あっ〟と驚かせるような商品をこれからも生み出し続けたい」と代表取締役の島本 敏さんは話す。

プライベートを重視したアルミ製のケージで快適に過ごすプレーリードッグたち

取材協力/エーディエフ(大阪市西淀川区)