今夏も清風寺(大阪市北区)の本堂で8月17日(お盆)、恒例の「御盆総回向奉修(おぼんそうえこうほうしゅう)」が行われる。30人以上の僧侶が読経し、厳かにご先祖を弔う。その荘厳な空気に包まれ、多くの参列者が手を合わせに訪れ、静かに祈りを捧げる光景が見られる。
「子どもたちに同じ苦労をかけたくない」そんな思いから、近年では遠方にある墓を整理し、永代供養に切り替える人が増えている。背景には、少子化や核家族化による墓守の不在、手入れや維持費への負担感などがある。
そうした中、歴史ある寺院で行われている丁寧な回向(先祖供養)が注目を集めている。特に、地域に根ざし長年にわたり供養の文化を守ってきた寺では、永代供養を選ぶ人々の信頼を集めている。

当日の回向は一般の見学も自由で、午前10時から開始される。出入りも制限されておらず、永代供養を検討する人にとっては、実際の供養の様子を体感できる貴重な機会となっている。
「供養のあり方は時代とともに変わってきましたが、ご先祖を敬う心は変わらない。安心して託せる場所として、私たちはこれからも寄り添っていきたい」と住職は語る。
これからの供養の形を考えるきっかけとして、一度足を運んでみてはいかがだろうか。

■清風寺/大阪市北区大淀南2丁目5−5