
真っ赤な丸い球体が特徴のシンガポールパビリオンは、館内に入ると、白で統一されていて、壁や上から吊るされたアート作品が出迎えてくれる。都市国家のシンガポールは国土が大阪府の3分の1程度しかなく、国土の多くが開発されて都市化している。しかし北部には自然保護区があったり、都心のビルに緑が多用されていたり、街中に街路樹や公園があったりして緑を確保していたりもする。
そんなシンガポールが今後もっと多くの緑を取り入れた都市開発を進め、暮らしと緑を一体化させようと考えた未来の姿をアート作品やデジタル映像で表現しているのがこの最初の空間。

この空間をすぎると、全く別の世界へ移動し、今度はシンガポール館のもう一つのテーマである「夢」を取り上げている。白や透明の球体がたくさん立っている周りに円形のパネルがあり、そこに自分の夢を言葉で書き込むとそのデータが前にある球体に移動していき、姿を消す。

どこへ行ったかというと、次の階の天空ドーム。
あの真っ赤な球体の中がそれで、球体にはアニメの映像が投影されていて、シンガポールが想像する未来の都市が描かれていて、そこに先ほど書いた夢がどんどん現れてくる。花火のように丸いものが上がっていき、上で花開くように広がると言葉が現れるのだ。

最後にやってくるのはミニガーデンと言えそうな空間で両サイドに植物が植えられている。夜になると日に3回3分程度のイルミネーションショーが開催される。
展示されているのはシンガポールと日本の植物。その中に3つのランの鉢植えが置かれています。その一つは「Dendrobium Masako Kotaishi Hidenka」という名前がつけられていて、雅子妃殿下をイメージして品種改良した世界に1つしかないランだ。ただし、このランは愛子さまが見学に来られた後、5月12日には撤去されてしまう予定。
ここでも自然との共生を目指し、シンガポールと自然の中の都市へと変貌させることを目指すと説明されている。

シンガポールならではの発想と自然との共生が達成しなければいけない現実的な課題なのだ、ということが伝わってくる展示だった。
1階にはレストランがあり、シンガポール名物のチキンライスやナシゴレンなどが食べられる。